電子決済等代行業登録
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 銀行法第52条の61の2
銀行APIを利用した決済指図等の代行を行うための登録
電子決済等代行業登録は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
電子決済等代行業登録とは
電子決済等代行業登録は、2017年の銀行法改正(2018年6月施行)で新設された比較的新しい登録制度です。銀行口座とつながるAPIやスクレイピングを通じて、利用者に代わって決済の指図を銀行に伝えたり、口座残高・入出金情報を取得して提供したりする事業者が対象になります。具体的には次の2類型に分かれます。
- 決済指図伝達サービス: 利用者の委託を受け、銀行への振込・送金などの指図を伝達する(更新系API)
- 口座情報取得サービス: 利用者の委託を受け、銀行口座の残高や明細を取得して提供する(参照系API)。家計簿アプリ・クラウド会計・PFMが典型例
このいずれかを業として営む場合、銀行法第52条の61の2に基づき、本店所在地を管轄する財務局(金融庁)への登録が必須です。無登録営業は刑事罰の対象になります。
主な登録要件
難易度がhardとされるのは、金額要件より「体制整備」のハードルが高いためです。
- 法人であること: 個人事業主は登録できず、株式会社等の法人格が必要
- 財産的基礎: 債務超過でないなど、業務を健全に遂行できる財産的基礎
- 体制整備: 利用者保護措置、情報の適切な管理・安全管理(セキュリティ)、苦情処理、委託先の管理体制、社内規程の整備
- 損害賠償体制: 利用者に損害が生じた場合の賠償を実行できる体制
- 銀行との契約締結義務: 接続する各銀行と「電子決済等代行業に係る契約」を締結すること。あわせて契約締結方針(基準)を定め公表する義務がある
- 役員・使用人の適格性
申請の流れと費用
- 管轄財務局への事前相談(実務上ほぼ必須。体制や銀行接続の見込みを擦り合わせる)
- 登録申請書・添付書類(定款、登記事項証明書、財務諸表、業務方法書、社内規程、組織図など)の提出
- 財務局による審査
- 登録・登録簿への登載、官報公示
費用面では、申請手数料自体は不要ですが、登録時に**登録免許税15万円**が必要です(登録免許税法の定めによる。「無料」と案内されることがありますが、登録免許税は別途かかる点に注意)。標準処理期間はおおむね2か月程度とされますが、事前相談を含めると半年前後を要するケースもあります。
よくある差し戻し・不登録の理由
- 安全管理措置や社内規程が抽象的で、実装レベルまで落とし込まれていない
- 接続予定の銀行とのAPI契約・接続見込みが具体化していない(契約締結方針が未整備)
- 委託先・外部システムの管理体制が不明確
- 財産的基礎や収支計画の裏付けが弱い
体制書類の作り込み不足が最大の躓きポイントです。技術仕様だけでなく、利用者保護とガバナンスの観点で書類を整えることが重要です。
関連する登録・更新時の注意
- 業務内容によっては資金移動業(送金そのものを行う場合)や前払式支払手段発行者など別の登録が必要になることがあり、自社サービスがどの規制に該当するか切り分けが必要です
- 登録に更新(有効期限)の制度はありませんが、事業報告書の提出、商号・役員・業務内容・銀行との契約状況などに変更があった場合の変更届出が義務付けられています
- 接続する銀行を追加するたびに契約締結と体制確認が必要になります
次のステップとしては、まず自社サービスが2類型のどちらに該当するか(または非該当か)を整理し、管轄財務局への事前相談を予約したうえで、安全管理・利用者保護の社内規程と銀行接続計画の整備に着手するのが現実的です。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1金融庁に登録申請
- 2情報セキュリティ体制の確認
- 3登録の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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