飲食店(レストラン・居酒屋)に必要な許認可
レストラン、居酒屋、カフェなど、調理した食品を提供する店舗を営業する業種です。
飲食店開業に必要な許認可の全体像
飲食店(レストラン・居酒屋)の開業で核となるのは保健所の飲食店営業許可です。これがなければ調理した食品を客に提供できません。許可申請の前提として、店舗ごとに食品衛生責任者を1名置く必要があり、調理師・栄養士・管理栄養士の資格がない場合は食品衛生責任者養成講習(1日・約1万円)を受講して資格を満たします。さらに収容人数や建物規模によって防火管理者の選任が必要になり、防火管理者講習を修了したうえで防火管理者選任届出・消防計画作成届出を消防署へ提出します。
提供メニューによっては追加許可が要ります。店内でケーキ・焼き菓子を製造販売するなら菓子製造業許可、自家製ソーセージや精肉加工を伴うなら食肉処理業許可が別途必要です。バー・居酒屋で深夜0時以降も酒類を主に提供するなら深夜酒類提供飲食店営業届出を警察署へ、接待を伴う形態なら風俗営業許可が必要になります。法人で開業する場合は法人設立登記が前提となります。
取得すべき順序と依存関係
順序を誤ると工事や開業がずれ込みます。流れはおおむね次のとおりです。
- 食品衛生責任者の資格を確保(講習受講)
- 物件契約・内装設計の段階で、シンク数・手洗い設備・厨房区画など保健所の施設基準を満たす設計にする
- 内装工事と並行して保健所へ事前相談
- 工事完了後に保健所の現地調査 → 飲食店営業許可交付
- 防火対象物使用開始届出を内装着工7日前までに消防署へ提出
- 深夜営業・接待がある場合は営業開始前に警察署へ届出・許可申請
特に防火対象物使用開始届出は「内装工事に着手する前」に出すのが原則で、後回しにすると是正を求められます。
費用の目安と内訳
許認可関連だけで見ると、飲食店営業許可の申請手数料が16,000〜19,000円前後(自治体により異なる)、食品衛生責任者養成講習が約10,000円、防火管理者講習が3,000〜7,000円程度です。深夜酒類提供飲食店営業届出は手数料こそ低額ですが、店舗図面・求積図の作成が必要で、行政書士へ依頼すると数万円かかります。風俗営業許可は申請手数料24,000円に加え、図面作成・現地調査対応で代行費用が10万円超になることも珍しくありません。
見落としやすい届出とつまずき
- 設備基準の事前確認漏れ。シンクの数や手洗いの位置が基準を満たさず、内装工事後にやり直しになるケースが最も多いつまずきです。着工前に必ず保健所と図面を擦り合わせること
- HACCPに沿った衛生管理。2021年から全飲食店に義務化されており、HACCP認証取得までは不要でも衛生管理計画の作成・記録は必須です
- 深夜酒類提供の届出忘れ。0時以降に酒を出すなら届出が必要で、無届けは摘発対象になります
- 営業許可の有効期限。5〜8年で更新が必要で、失効すると無許可営業になります
スケジュール感
物件契約から開業まで、内装工事を含めて2〜3か月を見込むのが現実的です。食品衛生責任者の講習予約は埋まりやすいため早めに確保し、消防・保健所への事前相談は物件決定直後に始めると手戻りを防げます。