飲食店営業許可
管轄: 保健所 / 根拠法令: 食品衛生法第55条
飲食店を営業するために必要な許可。店舗の設備基準を満たす必要があります。
飲食店営業許可は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は一般的な水準で、事前に予算を確保しておくと安心です。審査期間は標準的で、保健所での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。なお、5年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
飲食店営業許可とは
飲食店営業許可は、店内やテイクアウトで調理した飲食物を客に提供するために、食品衛生法にもとづいて取得する許可です。レストラン・居酒屋・カフェ・ラーメン店・バーはもちろん、調理を伴うキッチンカーやゴーストレストランも対象になります。所管は店舗の所在地を管轄する保健所(都道府県・政令市・特別区)で、許可なく営業すると食品衛生法違反として営業停止や罰則の対象になります。2021年6月の制度改正で許可業種が再編され、HACCPに沿った衛生管理が原則すべての飲食店に義務づけられた点も、これから開業する人が押さえておくべき変更です。
取得に必須の2つの要件
飲食店営業許可は「人」と「施設」の2つの基準を満たして初めて交付されます。どちらか一方でも欠けると許可は下りません。
- 食品衛生責任者を1名以上置くこと。調理師・栄養師などの資格保有者はそのまま就任でき、無資格でも各都道府県の食品衛生協会が実施する養成講習(約1日・受講料1万円前後)を修了すれば資格を満たせます。
- 保健所の施設基準(構造設備基準)を満たすこと。具体的には、調理場と客席の区画、二槽式以上のシンクまたは適切な洗浄設備、手洗い専用設備、冷蔵設備の温度管理、床・壁・天井が清掃しやすい材質であること、給湯設備などが審査されます。
施設基準は自治体ごとに細部が異なるため、内装工事の図面を引く前の段階で保健所に事前相談へ行くのが鉄則です。工事が終わってから基準を満たしていないと判明すると、シンクの増設や区画のやり直しで数十万円の手戻りが発生します。
申請から営業開始までの流れ
1. 事前相談(着工前)。図面を持参し、施設基準を満たすか保健所に確認します。 2. 営業許可申請。必要書類を揃えて、施設完成のおおむね2週間前までに申請します。 3. 施設検査。保健所の食品衛生監視員が現地を確認し、基準適合を判定します。 4. 許可証の交付。検査合格後、数日〜2週間ほどで許可証が交付され、営業を開始できます。
検査日は申請のタイミングで決まるため、オープン日から逆算して早めに動くことが遅延を防ぐ最大のポイントです。
費用の目安
申請手数料は自治体により16,000〜19,000円程度が一般的です。これに加えて、食品衛生責任者の養成講習費用(約1万円)、施設基準を満たすための設備工事費が実質的な総コストになります。手数料そのものは大きくありませんが、施設要件への対応費用が読みにくいため、事前相談で指摘を受けてから内装の最終仕様を固めると無駄がありません。
よくある不許可・差し戻しの理由
- 手洗い設備が調理用シンクと兼用で、専用の手洗い場がない。
- シンクの槽数が基準に足りない、または給湯設備がない。
- 客席と調理場の区画が不十分で、扉や仕切りが設けられていない。
- 食品を扱う区画の床・壁が清掃しにくい材質になっている。
- 食品衛生責任者が未選任のまま申請している。
これらは事前相談を省いて内装を完成させてしまったケースで頻発します。
深夜の酒類提供は別の届出が必要
午前0時以降も主に酒類を提供する居酒屋・バーは、飲食店営業許可とは別に「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書」を警察署(公安委員会)へ提出する必要があります。料理が主体の店は不要ですが、酒を主体に深夜営業する場合は要件が変わるため、業態を決める段階で確認しておきましょう。
更新と業態変更時の注意
2021年改正により、飲食店営業許可の有効期間は施設や衛生管理の状況に応じて5〜8年で設定されます。期限が切れる前に更新申請が必要で、失効すると無許可営業になります。また、提供メニューを増やして菓子製造や食肉販売などを始める場合は、追加の許可が必要になることがあります。営業内容を広げるときは、その都度どの許可が必要かを確認してください。
許認可の申請費用としては平均的な金額です。法定の手数料のため、減額や免除は原則ありません。
申請手順
- 1保健所に事前相談(設備基準の確認)
- 2必要書類を準備(営業許可申請書、設備の平面図等)
- 3保健所に申請書類を提出
- 4施設の立入検査を受ける
- 5検査合格後、営業許可証が交付される
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●保健所管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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