輸入承認
管轄: 経済産業省 / 根拠法令: 輸入貿易管理令第4条
特定の品目を輸入する際に必要な経済産業大臣の承認。ワシントン条約対象物品等。
輸入承認は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査期間は標準的で、経産省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
輸入承認とは何のための制度か
輸入承認は、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく輸入貿易管理令第4条により、経済産業大臣が特定品目の輸入を個別に審査する制度です。関税や通関とは別の枠組みで、国際条約の履行、国内産業・資源の保護、公衆衛生や安全保障上の理由から、輸入そのものの可否を国が判断します。
対象は大きく次の3系統に整理されます。
- 輸入割当(IQ)品目:のり、いか、たら、にしん、ほたて等の水産物、モントリオール議定書対象のオゾン層破壊物質など。割当を受けた数量の範囲でのみ輸入できます
- 2号承認品目:ワシントン条約(CITES)附属書掲載の動植物およびその加工品、鯨・まぐろ等の一部水産物など、原産地または船積地域を問わず承認が必要なもの
- 2の2号承認品目:特定の原産地・船積地域から輸入する場合にのみ承認が必要なもの(北朝鮮を原産地・船積地とする全貨物を含む)
自分が扱う品目がどれに該当するかは、HSコード(統計品目番号)と経済産業省が公表する「輸入貿易管理令別表」「輸入公表」で確認します。ここを誤ると通関で貨物が止まります。
誰が対象になるか
法人・個人を問わず、対象品目を輸入する者すべてが対象です。難易度が高いとされるのは、許可を得る資格要件が厳しいからではなく、「自社の貨物が対象かどうかの判定」と「必要な添付書類の調達」が実務上難しいためです。特にCITES対象品目では、輸出国政府が発行する輸出許可書(CITES許可書)が必須で、これが揃わなければ日本側の承認申請は成立しません。ワニ革のバッグ、象牙製品、一部のラン科植物、爬虫類の皮革製品などは、完成品であっても対象になり得ます。
申請の流れ
1. HSコードを特定し、輸入公表で承認要否と分類(IQ/2号/2の2号)を判定する 2. IQ品目の場合は、公示された割当申請期間に輸入割当申請を行い、輸入割当証明書の交付を受ける 3. 輸入承認申請書に、契約書(インボイス等)、原産地証明、輸出国の許可書(CITES等)を添えて経済産業省(貿易経済協力局 貿易管理課・野生動植物貿易審査室等)へ提出する 4. 審査を経て輸入承認証が交付される 5. 通関時に税関へ承認証を提示する
申請はNACCS等の電子システムを利用する経路と、窓口提出の経路があります。品目により所管窓口が分かれるため、事前相談を推奨します。
費用
申請手数料は無料です。実費として発生するのは、輸出国側の許可書取得費用、原産地証明の取得費用、通関業者・輸入代行への委託報酬、審査待ちの間の保管料などです。承認前に貨物を船積みしてしまうと保税倉庫での滞留コストが膨らむため、スケジュール管理が実質的なコスト要因になります。
よくある差し戻し・不承認の理由
- 輸出国のCITES許可書の記載(学名、数量、附属書区分)と申請内容が一致していない
- 許可書の有効期限が切れている、または船積み後に発行されている
- HSコードの誤りにより、必要な承認を取らずに通関申告している
- 輸入割当の残数量を超えた申請
- 加工品を「対象外」と自己判断していた(革製品、木材製品、漢方原料など)
有効期間と変更時の注意
輸入承認証には有効期間があり、原則6か月です(品目により異なる場合があります)。期間内に輸入申告を終える必要があり、間に合わない場合は有効期間延長の手続きを取ります。数量、価格、船積地域、輸入者などを変更する場合は、承認内容の変更手続きが必要です。承認証は1回の輸入取引ごとに取得するのが原則で、継続的に輸入する事業では取引ごとに手続きが発生します。
関連して、食品であれば食品衛生法の輸入届出、植物・動物であれば植物防疫法・家畜伝染病予防法の検疫、医薬品・化粧品であれば薬機法の手続きが並行して必要になります。輸入承認だけで通関が完了するわけではない点に注意してください。
まず着手すべきは、取扱予定品目のHSコード確定と、経済産業省の輸入公表での該否判定です。判定に迷う場合は、船積み前に経済産業省の該当窓口へ事前相談を行ってください。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1輸入承認申請書を経済産業省に提出
- 2必要書類(輸出国証明書等)を添付
- 3審査・承認
- 4通関手続き
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●経産省管轄の許認可は、経済産業局の窓口で手続きするケースがあります。オンライン申請が利用可能か確認してみましょう。
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