原子炉設置許可
管轄: 原子力規制委員会 / 根拠法令: 核原料物質核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第23条
原子炉を設置するための許可
原子炉設置許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
原子炉設置許可とは何か
原子炉設置許可は、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(炉規法)第23条に基づき、発電用・研究用・試験用などの原子炉を設置しようとする者が、原子力規制委員会から受けなければならない許可です。発電用の商業炉だけでなく、大学・研究機関の試験研究炉、舶用炉なども対象になります。建設に着手する前段階で、原子炉の基本設計が安全であることを国が確認する制度であり、許可を得ずに設置・運転することはできません。
対象者は電力会社や研究機関などに限られ、申請から許可まで通常は数年単位を要する、国内でも最も難易度の高い許認可の一つです。
取得に必要な主な要件
炉規法第24条は許可の基準を定めており、申請者は次のすべてを満たす必要があります。
- 平和利用に限られ、原子力の開発・利用の計画的な遂行に支障を及ぼさないこと
- 原子炉を設置・運転するための技術的能力および経理的基礎があること
- 災害の防止上支障がない設計・施設であること(新規制基準への適合)
特に重要なのが、2013年7月施行の新規制基準です。福島第一原発事故の教訓を踏まえ、地震・津波・火山・竜巻などの自然現象に対する想定の厳格化、重大事故(シビアアクシデント)対策、テロ等への対応が求められるようになりました。基準地震動・基準津波の設定、活断層評価などが審査の中心的な論点になります。
申請の流れ
- 原子炉設置許可申請書(炉の種類・出力、設置場所、原子炉施設の位置・構造・設備、安全設計方針などを記載)を原子力規制委員会へ提出
- 規制委員会による審査。安全性に関わる事項は技術的な審査会合で公開審議される
- 必要に応じて補正・追加説明を行い、審査書案の作成、科学的・技術的意見の公募(パブリックコメント)を経て許可
設置許可はあくまで基本設計段階の確認です。許可後も「工事計画認可」「使用前事業者検査・確認」「保安規定認可」といった後続手続きを経なければ運転は開始できません。
よくある差し戻し・長期化の理由
- 敷地周辺の活断層評価が不十分で、地質・地盤の追加調査を求められる
- 基準地震動・基準津波の想定が保守的でないと判断される
- 重大事故対策やシビアアクシデント時の有効性評価の説明が不足している
これらは「不許可」というより、審査の長期化・補正の繰り返しという形で現れるのが実態です。
関連・付随する手続き
設置許可単独で完結せず、前述の工事計画認可・保安規定認可のほか、運転にあたっては原子炉主任技術者の選任、定期的な事業者検査が必要です。既設炉の運転期間延長や設備の大幅変更の際は、別途「設置変更許可」を要します。出力変更、施設の追加・改造なども変更許可の対象になりうるため、計画段階で規制委員会との事前相談が欠かせません。
進め方の留意点
申請費用の目安は「無料」とされていますが、手数料の要否は炉の種類・手続きにより異なるため、所管庁である原子力規制委員会に確認してください。審査は高度に専門的で、地質・耐震・熱水力など多分野の知見を要します。実務では原子炉メーカー・設計事業者・専門コンサルタントと体制を組み、立地調査と並行して早期に規制当局との対話を始めることが、結果的に審査期間の短縮につながります。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1原子力規制委員会に申請
- 2安全審査
- 3設計及び工事の認可
- 4使用前検査
- 5許可の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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