NVOCC(非船舶運航業者)届出
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 国際海上物品運送法/貨物利用運送事業法
船舶を持たずに海上貨物運送を行う事業の届出・登録
NVOCC(非船舶運航業者)届出は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査期間は標準的で、国交省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
NVOCC(第一種貨物利用運送事業・外航海運)とは
NVOCCは自社で船舶を保有せず、実運送を行う外航船社(オーシャンキャリア)の輸送スペースを利用して、荷主から貨物を引き受ける利用運送事業者を指します。荷主に対しては自らがハウスB/L(House Bill of Lading)を発行して運送責任を負い、船社との間ではマスターB/Lで輸送を手配する、という二重の運送契約が事業の本質です。日本では貨物利用運送事業法上の「第一種貨物利用運送事業(外航海運)」として国土交通大臣(地方運輸局・海事局)への登録が必要で、無登録での集荷・B/L発行は同法違反となります。
集荷から配達までの一貫輸送(実運送+集配)まで担う場合は第二種貨物利用運送事業(許可制)となり、本届出(第一種・登録制)とは区分が異なります。まず自社が「ドア・ツー・ドアの一貫責任まで負うのか」「港から港の海上区間の利用に留めるのか」を切り分けることが入口になります。
取得の主な要件
- 財産的基礎:純資産額300万円以上が目安。直近の貸借対照表等で証明します。
- 営業所:使用権原のある営業所を確保していること。
- 経営的基礎・欠格事由:法人役員等が法の欠格事由に該当しないこと。
- 外国人・外国法人の場合:相互主義の適用があり、当該国が日本の事業者に同種事業を認めていることが条件となるため、出資・役員構成は事前確認が必須です。
- 利用運送約款:標準貨物利用運送約款を採用するか、自社約款を作成して認可・届出を行う必要があります。
申請の流れと費用
1. 事業計画・利用する運送機関(船社)の整理 2. 純資産・営業所など要件の充足確認 3. 登録申請書+事業計画書、約款、財産関係書類の作成 4. 管轄運輸局へ申請、審査 5. 登録通知後、登録免許税の納付
費用の中心は登録免許税9万円です(第一種の場合)。これに加え、行政書士へ委託する場合の報酬、約款作成・登記事項証明書等の実費が別途かかります。第二種(許可制)は登録免許税が12万円となり、費用区分が変わる点に注意してください。
よくある差し戻し・不許可理由
- 純資産300万円の証明が不足している、または直近期で要件割れしている
- 利用する船社や運送区間が事業計画上で特定されていない
- 約款の選択(標準約款か自社約款か)が未整理
- 外国資本案件で相互主義の確認が取れていない
関連する許認可・更新時の注意
通関を自社で行う場合は別途「通関業の許可」、国内の集配にトラックを使う場合は貨物自動車運送関連の手当てが必要になることがあります。登録自体に定期更新はありませんが、営業所の新設・移転、役員変更、利用運送機関の追加・約款変更などは事業計画変更の届出・認可の対象です。変更を放置すると是正指導の対象となるため、組織や輸送網を拡張する際は都度、変更手続きの要否を運輸局に確認するのが安全です。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1国土交通大臣に登録申請
- 2運送約款の届出
- 3登録証の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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