前払式支払手段発行者登録
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 資金決済法第7条
基準日未使用残高が1000万円を超える前払式支払手段の発行者登録
前払式支払手段発行者登録は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。金融庁の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
どんなときに必要になるか
商品券・ギフトカード・プリペイドカード・電子マネー・アプリ内通貨など、対価を先に受け取り、後で商品やサービスの支払いに充てられる「前払式支払手段」を発行する事業者が対象です。ポイントでも、有償で発行され買い物に使えるものは該当します(無償ポイントやおまけは対象外)。
ここで重要なのが「自家型」と「第三者型」の区別です。自社の店舗・サービスでのみ使えるものは自家型、加盟店など発行者以外の店でも使えるものは第三者型です。
自家型と第三者型で手続きが違う
- 自家型: 各基準日(毎年3月31日・9月30日)の未使用残高が1,000万円を超えた場合に、財務局へ「届出」を行う。残高が基準を超えるまでは手続き不要。
- 第三者型: 発行を開始する前に財務局の「登録」を受ける必要がある。残高にかかわらず、開始前の登録が必須。
「登録」という名称は主に第三者型を指します。自社サービス専用なら、まずは1,000万円超の届出ラインを意識すれば足ります。
中心的な義務 — 発行保証金の供託
最大の負担は資金の保全義務です。各基準日の未使用残高が1,000万円を超えるときは、その2分の1以上の額を「発行保証金」として、基準日の翌日から2か月以内に最寄りの供託所(法務局)へ供託します。利用者保護のための制度で、残高が増えるほど供託額も増えます。
あわせて、基準日ごとに「未使用残高報告書」を2か月以内(5月末・11月末)に提出します。第三者型の登録時には、財産的基礎・業務遂行体制・利用者保護措置が審査されます。
申請の流れと費用
第三者型の登録は、本店所在地を管轄する財務局に申請書・定款・登記事項証明書・財務諸表・業務方法書などを提出し、審査を経て登録簿に登載される流れです。自家型の届出も提出先は財務局です。
申請手数料自体は原則かかりませんが、実質的なコストは供託金(残高の2分の1)と、供託・報告・約款整備にかかる実務負担です。供託金は事業から拘束される資金になる点を資金計画に織り込んでください。
つまずきやすい点・更新時の注意
- 第三者型を「登録前に発行開始」してしまう違反。発行前に登録を済ませること。
- 自家型で残高1,000万円超の届出・供託を失念し、後から指摘されるケース。
- 約款・表示義務(利用条件、有効期限、苦情連絡先等)の不備。
- 払戻しを安易に行うと、原則禁止される払戻規制に抵触するおそれがある点。
登録は更新制ではありませんが、商号・発行する手段の内容・業務方法を変更したときは変更届出が必要です。発行を廃止する場合は、未使用残高の払戻手続き(公告・期間設定)を所定の手順で行います。判断に迷う点は管轄財務局へ事前相談するのが確実です。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1金融庁(又は財務局)に登録申請
- 2発行保証金の供託
- 3登録の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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