特定貨物自動車運送事業許可
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 貨物自動車運送事業法第35条
特定の荷主との契約に基づく貨物運送事業の許可
特定貨物自動車運送事業許可は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。国交省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
どんな事業のための許可か
特定貨物自動車運送事業許可は、トラック等の事業用自動車を使って「特定の単一荷主」の荷物だけを有償で運ぶ事業に必要な許可です。貨物自動車運送事業法第35条に基づき、国土交通大臣(実際の窓口は管轄の地方運輸局)が許可します。
ポイントは荷主が「特定の一社」に限定されることです。不特定多数の荷主から運送を請け負う場合は一般貨物自動車運送事業許可が必要で、こちらは別制度です。親会社の専属配送子会社や、特定メーカーの製品輸送を一手に担う物流会社などが典型的な対象です。
主な許可要件
要件の枠組みは一般貨物とほぼ共通で、荷主が特定される点が異なります。
- 車両:事業用自動車を5両以上確保(リース・購入問わず使用権原が必要)
- 営業所・車庫・休憩睡眠施設:いずれも使用権原があり、農地法・都市計画法(市街化調整区域)・建築基準法に抵触しないこと。営業所と車庫の距離には運輸局ごとの上限基準がある
- 運行管理者・整備管理者の選任:車両数に応じた有資格者の確保が必須
- 運転者:労働関係法令を満たす形で確保していること
- 資金:人件費・燃料・車両費・保険料など事業開始に必要な所要資金を見積もり、その自己資金を申請時から許可まで継続して保有していること
申請の流れと費用
事業計画を固め、車庫・施設・資金・人員の裏付け書類を揃えて運輸局へ申請します。標準処理期間はおおむね3〜5か月が目安で、書類審査の過程で補正を求められることが多いです。
申請手数料そのものは無料ですが、実費として車両・施設の確保費用、運行管理者等の人件費、自動車保険料などがかかります。登録免許税など税の扱いは制度・時期により異なるため、管轄運輸局で最新の取り扱いを確認してください。
よくある差し戻し・不許可の理由
- 所要資金に対して自己資金が不足、または審査期間中に残高を維持できていない
- 車庫が都市計画法上の用途制限に抵触、または営業所との距離基準を超過
- 運行管理者・整備管理者を確保できていない、有資格者証が間に合わない
- 荷主との契約実態が「特定の単一荷主」と認められず、実質的に不特定多数向けと判断される
最後の点は本許可に固有の落とし穴です。複数荷主に広げる計画なら、最初から一般貨物で申請すべきケースが多くあります。
取得後・変更時の注意
許可取得後は、運輸開始前に運賃料金設定(変更)届、運行管理者・整備管理者選任届、社会保険加入などの手続きが続きます。
将来、荷主を増やしたい・不特定の荷主とも取引したい場合は、本許可では対応できず一般貨物自動車運送事業許可への切り替えが必要です。営業所や車庫の新増設、車両数の変更などは事業計画変更の認可または届出の対象になります。荷主や事業形態の変化が見込まれる段階で、早めに運輸局や行政書士へ相談しておくと手戻りを防げます。
申請手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(住民票・登記簿謄本など)が別途かかる場合があります。
申請手順
- 1地方運輸局長に申請
- 2荷主との契約書提出
- 3運行管理体制の確認
- 4許可証の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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