航空機使用事業許可
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 航空法第123条
航空測量・農薬散布等の航空機使用事業の許可
航空機使用事業許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
航空機使用事業許可とは何か
航空機使用事業許可は、他人の需要に応じて有償で「旅客・貨物の運送以外」の行為を航空機で請け負う事業を営むために、国土交通大臣(実務上は管轄の地方航空局)から受ける許可です。航空法第123条に基づき、農薬・種子の空中散布、航空測量・空中写真撮影、報道取材、宣伝広告(空中広告)、消火、操縦訓練、調査・観測などが対象になります。人や物を運ぶ事業は対象外で、その場合は別途「航空運送事業の許可(航空法第100条)」が必要です。
重要な前提として、ここでいう「航空機」は有人の飛行機・回転翼航空機(ヘリコプター)を指します。ドローン(無人航空機)による農薬散布や空撮はこの許可の対象ではなく、機体認証・操縦ライセンス・飛行許可承認といった無人航空機の別制度で扱われます。自社がヘリでやるのかドローンでやるのかで、適用される制度が根本的に変わります。
取得の主な要件
- 事業を遂行するに足る経理的基礎(資金計画)および技術的能力があること
- 機体・運航区域・業務の種類を具体化した適切な事業計画
- 運航規程・整備規程を整備し、認可を受けられる内容であること
- 耐空証明を受けた航空機を確保していること
- 業務に応じた資格を持つ操縦士(事業用操縦士の技能証明、回転翼や計器飛行証明など必要な限定)
- 自社または委託による整備体制
- 賠償責任保険など事故時の備え
欠格事由(過去の許可取消歴など、航空法所定の事由)に該当しないことも条件です。
申請の流れと費用
1. 管轄の地方航空局(東京航空局・大阪航空局)へ事前相談 2. 事業計画書・運航規程・整備規程の作成 3. 許可申請書の提出 4. 審査(経理的基礎、技術的能力、事業計画の適切性、欠格事由の確認) 5. 運航規程・整備規程の認可 6. 許可取得後に事業開始
国への申請手数料自体は基本的にかかりませんが、登録免許税等の要否は管轄の地方航空局に確認してください。実際の負担は手数料ではなく、機体の取得・賃借、整備体制、保険、有資格の操縦士確保といった実費が中心で、難易度が高いのはこの体制構築にあります。
よくある差し戻し・不許可の理由
- 整備体制・運航管理体制が不十分(規程の中身が形だけ)
- 資金計画が脆弱で経理的基礎を満たさない
- 操縦士の資格・経験が業務内容に対応していない
- 運航規程・整備規程の記載不備
関連する許認可・更新時の注意
空中散布では物件投下に関する規制、空港以外の場所で離着陸する場合は場外離着陸場の許可(第79条ただし書)、機上無線を使う場合は無線局免許など、付随手続きが伴います。許可取得後も、機体の追加・業務の種類や運航区域の変更、規程の変更には認可・届出が必要で、定期的な安全監査・立入検査の対象となります。まずは管轄の地方航空局へ事前相談し、自社の業務がどの規程・どの付随許可に該当するかを早期に固めることが、許可取得への近道です。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1国土交通大臣に申請
- 2使用機体の耐空証明確認
- 3安全管理体制の審査
- 4許可証の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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