DNSサービス提供事業届出
管轄: 総務省 / 根拠法令: 電気通信事業法
パブリックDNSサービスを提供する事業の届出。ドメイン名解決サービスの商用提供が対象。
DNSサービス提供事業届出は、比較的スムーズに取得できる許認可です。申請費用は一般的な水準で、事前に予算を確保しておくと安心です。審査期間は標準的で、総務省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
この届出は何のためのものか
「DNSサービス提供事業届出」という独立した許認可制度は、電気通信事業法上に存在しません。実務上の位置づけは、パブリックDNS(1.1.1.1 や 8.8.8.8 のような、不特定多数向けの再帰的名前解決サービス)を業として提供する場合に、電気通信事業法上の**電気通信事業の届出**(第16条)に該当するかを判定し、該当すれば総務大臣に届け出る、という手続きです。したがって、まず「自社のDNSサービスが電気通信事業に当たるか」の切り分けが出発点になります。
判断の軸は次の3点です。
- 他人の通信を媒介しているか、または電気通信設備を他人の通信の用に供しているか
- 「業として」=営利性・反復継続性があるか
- 電気通信事業法の適用除外・登録不要範囲に収まるか
自社サイトの名前解決のために権威DNSを自前運用しているだけであれば、他人の通信の用に供していないため、通常は電気通信事業に当たりません。一方、レンタルサーバー事業者・ISP・CDN事業者が顧客や不特定多数のエンドユーザー向けにリゾルバや権威DNSホスティングを有償提供する場合は、電気通信事業(多くは届出)に該当し得ます。DNSサービス単体というより、**ホスティング/ISP/VPN等の付随サービスとして届出の範囲に含める**のが実務上の一般的な形です。
届出の要件と提出物
届出制の電気通信事業には、資本金要件・設備規模要件・国家資格者の常置といった参入要件はありません。求められるのは主に次の書類です。
- 電気通信事業届出書(総務省様式)
- 事業計画書(提供する役務の内容、提供区域、設備の概要、開始予定日)
- 法人の登記事項証明書、定款
なお、設備の設置形態によっては**電気通信主任技術者の選任**や**工事担任者**が必要になる場面がありますが、他社データセンター上のサーバーでリゾルバを動かすような形態では、選任義務が生じないケースが多くを占めます。自社で伝送路設備を設置する場合は登録が必要になる可能性があるため、設備構成を先に確定させてから判定してください。
手続きの流れと費用
1. 提供役務・設備構成を文書化し、届出/登録/該当なしを判定する 2. 総務省の各**総合通信局**(本社所在地を管轄)に事前相談する 3. 届出書一式を提出(開始前でも開始後遅滞なくでも受理される運用だが、事前提出が無難) 4. 受理後、電気通信事業者としての義務(通信の秘密の保持、消費者保護規律、業務改善命令への対応等)が発生
届出自体に手数料はかかりません。実費は登記事項証明書の取得費(1通数百円)程度で、行政書士に依頼する場合の報酬が数万円規模になる、というのが費用の実像です。「0〜30,000円」という目安は、この外部委託費を含んだ幅と理解してください。
差し戻し・トラブルの典型パターン
- 事業計画書の役務内容が「DNSサービス」とだけ書かれ、他人の通信を媒介する範囲が読み取れない
- 提供区域や設備の設置場所(国内/海外リージョン)の記載が実態と食い違う
- 届出をせずに開始し、後から指摘を受ける(電気通信事業法違反となり得る)
届出後に必要になること
役務の追加、提供区域の変更、本店移転、商号変更は**変更届出**の対象です。更新制度はないため定期更新は不要ですが、事業廃止時にも届出が要ります。また、DNSサービスは通信の秘密(クエリログ)の取扱いが論点になりやすく、ログ保存期間・第三者提供の可否を社内規程とプライバシーポリシーに落とし込んでおく必要があります。個人情報保護法上の対応、および外国にサーバーを置く場合の越境移転規律も併せて確認してください。
判定が微妙な場合は、自己判断で「該当しない」と結論づけず、管轄の総合通信局に設備構成図を持参して事前相談するのが最短かつ確実です。
費用は平均的な水準です。手続き自体はシンプルなので、自分で申請すればコストを抑えられます。
申請手順
- 1電気通信事業法上の区分確認
- 2サービス概要を記載した届出書作成
- 3総務省への届出書提出
- 4届出受理通知の受領
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- ●必要書類のチェックリストを作り、一つずつ確実に準備しましょう。
- ●窓口での手続きは比較的スムーズです。混雑を避けるため、開庁直後の来所がおすすめです。
- ●記入例を事前に確認しておくと、その場で迷わず記入できます。
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