保険業免許
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 保険業法第3条
生命保険会社または損害保険会社を営むための免許
保険業免許は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための免許か
保険業免許は、不特定多数から保険料を集めて保険金支払いを引き受ける「保険業」を営むために、保険業法第3条に基づき内閣総理大臣(実務は金融庁長官に委任)から受ける免許です。保険契約者保護のため、財務の健全性・約款の妥当性・経営体制を国が事前審査する仕組みであり、登録制の貸金業などと異なり「免許」という最も重い参入規制が課されます。
免許は生命保険業免許と損害保険業免許に明確に区分され、保険業法第3条により両者の兼営は原則禁止です。一社が生保・損保の双方を直接営むことはできず、グループ内で別法人を立てる形が一般的です。第三分野(医療・がん・介護等)は生保・損保いずれの免許でも引受可能です。
取得の必須要件
- 会社形態は株式会社または相互会社に限られます。相互会社は保険業以外を営めません。
- 資本金または基金の額は10億円以上(保険業法施行令で規定)。実際には引受規模に応じた十分な自己資本が求められます。
- ソルベンシー・マージン比率など、将来の保険金支払いに耐える財務健全性。
- 生命保険・一部の損害保険では保険計理人(アクチュアリー)の選任が必須。
- 保険数理・引受・資産運用・コンプライアンスに精通した人的構成と内部管理体制。
申請の流れと費用
金融庁に対し免許申請書を提出します。添付する基礎書類として定款、事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書が必要で、これらが審査の中心になります。事前相談から本申請、ヒアリングを経て免許付与まで相応の期間を要します。免許そのものに申請手数料はかかりませんが、巨額の資本・人材・システム整備という実質的コストが参入障壁です。
よくある不許可・差し戻し理由
- 資本金・基金が引受計画に見合わず財務基盤が不十分。
- 事業方法書・約款の内容が契約者保護の観点から不適切、または算出方法書の保険数理に妥当性を欠く。
- 経営陣や実務者に保険事業の知識・経験が不足し、収支見通しが過度に楽観的。
関連する制度・留意点
小規模に保険を引き受ける場合は、上限額のある少額短期保険業(登録制・資本金1,000万円以上)が別枠で用意されており、第3条の免許よりハードルが低い選択肢です。また保険商品を販売するだけなら保険募集人・保険代理店の登録で足り、引受主体になる本免許とは制度が異なります。外国保険会社が日本で営業する場合は別途の免許が必要です。免許取得後も、約款変更や事業方法の変更には認可・届出が求められ、継続的な金融庁の監督下に置かれます。
まずは想定する引受種目(生保/損保/第三分野)と必要資本を固め、金融庁への事前相談で基礎書類の方向性を確認することが現実的な第一歩です。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1金融庁に免許申請
- 2資本金要件(10億円以上)の確認
- 3審査
- 4免許の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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