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出版社に必要な許認可

書籍・雑誌の出版

出版社の開業に許認可はほぼ不要

まず押さえておきたいのは、書籍・雑誌を企画・編集・発行する出版業そのものには、飲食業や建設業のような「営業許可」が存在しないという点です。誰でも届出だけで開業でき、参入のハードルは法制度上は低い業種です。そのため開業準備の中心は、許認可の取得ではなく「事業の器を整える手続き」と「出版に固有の登録」になります。

最初に決める:個人か法人か

最初の分岐は事業形態です。個人で始めるなら、税務署へ個人事業の開業届を提出します。提出期限は開業日から1か月以内、費用はかかりません。屋号での銀行口座や青色申告を使うなら、青色申告承認申請書も同時に出しておきます。

取次(日販・トーハン等)と直接取引したい、書店流通に本格的に乗せたいという場合は、社会的信用の面から法人設立登記を選ぶのが現実的です。株式会社なら登録免許税15万円+定款認証など、合計25万円前後が目安。取次口座の開設は実績や資本が問われるため、流通を前提とするなら法人化と並行して早めに動きます。

出版に固有の登録手続き

許認可ではありませんが、出版社として必須に近いのがISBN(日本図書コード)の出版者記号取得です。日本図書コード管理センターへ申請し、桁数に応じた登録料がかかります。これがないと書店・取次の流通に乗せられません。あわせて、刊行物を国立国会図書館へ納本する義務(納本制度)も発生します。

電子出版を主軸にする場合は、紙とは別の準備が要ります。電子出版制作事業届出や電子書籍配信事業届出といった届出区分が関わるほか、自社で電子書籍を直接販売するならEC同様に特定商取引法に基づく表記が必須です。過去資料のデジタル化・公開を事業化するならデジタルアーカイブ事業届出、第三者のCCライセンス作品を扱うならクリエイティブコモンズ管理事業届出が該当し得ますが、これらは事業の中身次第で要否が変わるため、所管・自治体に個別確認してください。

見落としやすい点とスケジュール

著作権処理が出版固有の最大の落とし穴です。執筆・翻訳・写真・イラストの利用許諾契約を書面で結ばないまま発行すると、後から権利トラブルになります。開業手続きと並行して契約書ひな型を整えておくべきです。

進め方の目安は、(1)事業形態の決定と開業届・登記(1〜2週間)、(2)ISBN出版者記号の取得(数週間)、(3)電子配信を行うなら特商法表記・配信関連の届出整備、の順。許可待ちで止まる工程が少ない一方、ISBN取得と取次口座開設に時間がかかるため、創刊スケジュールから逆算して着手するのが安全です。

4

必須の許認可

0〜90,000円

費用の目安(合計)

2

条件付きの許認可

必須の許認可

個人事業主として事業を開始した場合に提出する届出。開業から1ヶ月以内に提出する必要があります。

管轄: 税務署費用: 無料期間: 約1日

個人事業の場合

デジタルアーカイブ(文化資産のデジタル保存・公開)事業の届出。図書館・博物館等の所蔵品デジタル化が対象。

管轄: 文化庁費用: 0〜50,000円期間: 7〜21日

クリエイティブコモンズライセンスの管理・普及を行う事業の届出。CC作品のライセンス管理プラットフォームが対象。

管轄: 文化庁費用: 0〜20,000円期間: 7〜14日

電子書籍の制作・変換サービスを提供する事業者の届出。EPUB・PDF変換やデジタル組版サービスが対象。

管轄: 経済産業省費用: 0〜20,000円期間: 7〜14日

条件によって必要になる許認可

条件: 電子書籍配信の届出

法人設立登記60,000〜242,000円

条件: 法人設立の場合

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