古本屋に必要な許認可
古本の買取・販売
古本屋の開業に必要な許認可の全体像
古本屋は「他人が一度所有した本」を仕入れて売る商売です。新刊書店と決定的に違うのは、中古品(古物)を扱う点にあります。このため最も重要になるのが、古物営業法に基づく古物商許可です。DB上は「状況により必要」と分類されていますが、一般の人や他店から古本を買い取って再販する以上、実務上はほぼ必須と考えてください。古物商許可なしに中古書籍を反復継続して仕入れ・販売すると、無許可営業として罰則の対象になります。
一方で、自分の蔵書を一度きり処分する程度であれば許可は不要です。「買い取って売る」を事業として繰り返すかどうかが分かれ目になります。中古書籍販売業として店舗を構えるなら、古物商許可の取得を前提に準備を進めるのが安全です。
取得すべき順序と依存関係
順序を間違えると二度手間になります。おすすめの流れは次の通りです。
- まず事業形態を決める(個人事業か法人か)
- 法人で始めるなら、先に法人設立登記を済ませる
- 営業所(店舗・自宅の一室)を確定させる
- その営業所を管轄する警察署で古物商許可を申請する
- 許可取得とあわせて、税務署へ個人事業の開業届を提出する
古物商許可は「営業所の所在地」を基準に審査されるため、店舗や保管場所が決まっていないと申請できません。物件を先に押さえることが起点になります。法人化する場合は、許可申請の名義が法人になるため、設立登記を必ず先行させてください。個人で取った許可は法人に引き継げず、取り直しになります。
費用の目安と内訳
開業時にかかる主な公的費用は次の通りです。
- 古物商許可申請手数料:19,000円(都道府県により共通、新規申請時)
- 個人事業の開業届:費用は無料(税務署へ提出するだけ)
- 法人設立登記:登録免許税が株式会社で最低15万円、合同会社で6万円ほか定款認証費用など
このほか、申請に必要な住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書などの取得で数千円かかります。行政書士に古物商許可の代行を依頼する場合は、別途4〜6万円程度の報酬が目安です。手続き自体は自分でも可能なので、時間と手間をどう見るかで判断してください。
見落としやすい届出・実務ポイント
- 古物商の標識(プレート)を営業所の見やすい場所に掲示する義務があります
- 一定額以上の買取では本人確認と取引記録(古物台帳)の作成・保存が必要です
- ネット販売も行うなら、ホームページURLを許可申請時に届け出る必要があります
- 営業所の追加・移転、管理者の変更などは、その都度変更届が必要です
これらは許可取得後も継続する義務で、台帳記録は盗品流通防止のための法律上の要請です。古物営業法に違反すると許可取消しのリスクがあるため、開業前に運用ルールを固めておきましょう。
スケジュール感とつまずきやすい点
古物商許可は、書類を揃えてから警察署の審査完了まで標準で40日前後かかります。物件契約から逆算し、開業希望日の2か月前には申請したいところです。
よくあるつまずきは、賃貸物件で「営業所として使用してよい」という使用承諾が大家から取れず、申請が止まるケースです。自宅兼用でも同様の確認が必要になることがあります。物件契約の段階で「古物営業に使う」と伝えておくと後の手戻りを防げます。要否や提出書類は都道府県・管轄警察署により細部が異なるため、申請前に管轄署で確認してから進めてください。