ウィッグ・かつら店に必要な許認可
ウィッグの販売・メンテナンス
ウィッグ・かつら店の開業で必要になる許認可の全体像
ウィッグ・かつら店は「物販だけなのか」「お客様に施術するのか」で必要な手続きが大きく変わる業種です。完成品のウィッグを箱で売るだけなら原則として営業の許認可は不要ですが、来店者の頭に合わせてカット・調整したり、地毛を整えてからフィッティングするなど「人の頭髪に対する施術」を伴う場合は、美容所開設届の対象になります。ここを最初に切り分けないと、開店後に保健所から指導が入るおそれがあります。
紐づく手続きは次の3つです。
- 美容所開設届(施術を行う場合は必須)
- 個人事業の開業届(個人で開業する場合は必須)
- 法人設立登記(会社として開業する場合に必要)
取得の順序と依存関係
まず決めるべきは事業形態です。個人で始めるなら開業届、会社にするなら法人設立登記が起点になります。法人化する場合は登記が完了して法人格が生まれてから、その法人名義で美容所開設届や賃貸契約を進めるのが筋です。順序を逆にすると名義変更の二度手間になります。
施術を伴う店舗では、次の順で進めます。
1. 美容師免許を持つ施術者を確保する(自分が無資格なら有資格者の雇用が前提) 2. 店舗物件を契約し、美容所の構造設備基準(作業面積、消毒設備、採光・換気、区画など)を満たす内装にする 3. 保健所へ美容所開設届を提出し、施設の立入検査を受ける 4. 検査合格後に確認証の交付を受けて初めて施術営業を開始できる
開業届・登記と並行して動かせますが、施術開始だけは保健所の検査合格が前提になる点に注意してください。
費用の目安と内訳
- 個人事業の開業届:手数料は無料
- 法人設立登記:登録免許税など実費で、株式会社で約20万円前後、合同会社で約6〜10万円(自分で手続きする場合の概算)
- 美容所開設届:自治体により異なりますが、検査手数料として概ね数千円〜2万円程度
- 内装・設備:消毒設備や区画など基準適合のための工事費が別途かかる
金額は所管庁・自治体により異なるため、最終的な額は管轄の保健所・法務局で確認してください。
見落としやすい届出・つまずき
- 医療用ウィッグを「治療に効く」と訴求すると景品表示法や医薬品医療機器等法に抵触するおそれがある。効能効果をうたわない表現にする
- 施術なしの純粋な物販と思っていても、店頭で頭に合わせてカットした時点で美容行為に当たり、無届だと違反になる
- 美容所の構造設備基準は地域差が大きく、契約後の内装では基準を満たせないことがある。物件契約前に保健所へ事前相談する
- ネット通販を併設する場合は特定商取引法に基づく表記が別途必要
スケジュール感
物件契約から内装工事、保健所への事前相談・届出・立入検査までを見込むと、施術を伴う店舗は準備に2〜3か月程度を見ておくと安全です。物販のみなら開業届の提出だけで始められるため、より短期間で開業できます。まず「施術をするか否か」を確定させ、する場合は美容師の確保と保健所への事前相談を最優先で動かすことが、開業を滞らせないコツです。