サプリメント販売に必要な許認可
サプリメント・健康食品の販売
サプリメント販売の許認可・届出の全体像
サプリメント・健康食品の販売は、何を扱い、どう売るかで必要な手続きが大きく変わります。最も重要な分岐は「既製品をそのまま仕入れて売るだけか」「自社で製造・小分けまで行うか」、そして「販売方法が店舗販売か、訪問・電話・ネットワーク型か」の2点です。サプリは食品(食品衛生法)として扱われ、医薬品的な効能を表示すると薬機法・景品表示法違反になる点が、この業種固有の最大の落とし穴です。
取得すべき順序と依存関係
順序は「事業形態 → 製造の有無 → 販売方法」で考えます。
- まず事業形態を決め、個人なら開業届(個人事業の開業届)、法人化するなら法人設立登記を先行させる。屋号付き口座やStripe等の決済契約は法人格・開業届が前提になるため最初に固める。
- 既製品の仕入れ販売だけなら、原則として製造系の届出は不要。ただし2021年の食品衛生法改正で、容器の小分け・詰め替えなど「加工」に当たる行為があると食品衛生責任者の設置と営業届出が必要になる場合がある。
- 自社製造に踏み込む場合のみ、健康食品製造業届出・サプリメント製造業届出が関係する。製造には食品衛生責任者が必須で、製造所の構造設備要件も伴うため、ここは早めに保健所へ相談する。
販売方法による規制(届出より「行為規制」)
訪問販売・電話勧誘販売・連鎖販売取引(いわゆるネットワークビジネス)は特定商取引法の規制対象です。正確には事前の許可制ではなく、訪問販売業者届出・電話勧誘販売業者届出・連鎖販売取引届出という名称で語られても、多くは「登録を受ける」のではなく書面交付義務・クーリングオフ・誇大広告禁止といった行為規制に従う義務が中心です。これらの販売方法を採るなら、契約書面・概要書面の整備を開業準備に組み込んでください。
CBDを含む製品を扱う場合はCBD製品販売届出というより、THCが検出されないことの確認(成分分析書・輸入時の証明)が実務の核心で、大麻草栽培規制法の改正動向に常に注意が必要です。
なお、リストにある美容所開設届は理美容サロン向けの手続きで、サプリ販売そのものには通常関係しません。
費用の目安とスケジュール
- 開業届:無料。法人設立登記:登録免許税6万円(合同会社)〜15万円(株式会社)+定款認証等で実費15〜25万円程度。
- 食品衛生責任者:講習受講料が約1万円。製造系届出自体の手数料は自治体により数千円〜、設備投資は別途。
- 販売方法の規制対応(書面整備・表示チェック)は行政書士へ委託で数万円〜。
準備期間は、仕入れ販売のみなら1〜2週間。製造や訪問・連鎖販売を伴うと、設備確認や書面整備で1〜2か月を見込みます。最大のつまずきは「効果効能の表示」と「特商法の書面不備」の2つ。要否や手数料は所管の保健所・消費生活センターにより異なるため、製造の有無が決まった段階で一度窓口確認することを強く勧めます。