自動車車体整備事業認証
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 道路運送車両法第78条
自動車の車体整備(板金・塗装)を行うための認証
自動車車体整備事業認証は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。国交省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
自動車車体整備事業認証とは
道路運送車両法第78条に基づき、他人から依頼を受けて自動車の分解整備以外の「特定整備」のうち、車体(フレーム・車枠)に関わる整備を業として行う場合に必要となる、地方運輸局長の認証です。実務上は板金・塗装、フレーム修正、いわゆる鈑金塗装工場(ボディショップ)が対象になります。
重要なのは、板金塗装のすべてに認証が要るわけではないという点です。バンパーの脱着や部分塗装など、車枠・車体の強度に影響しない作業は認証がなくても行えます。一方で、フレーム(車枠)の修正・切断・溶接を伴う作業、モノコックボディの構造部位の交換など、車体の強度・構造に影響を与える作業を業として行うには認証が必要です。「うちの工場は何をどこまでやるのか」を先に確定させることが、この認証を取るかどうかの最初の判断になります。
認証の要件
事業場ごとに認証を受ける必要があり、主な要件は次のとおりです。
- 工員数: 2名以上(うち1名以上が整備主任者要件を満たすこと)
- 整備主任者: 1級または2級自動車整備士(車体整備を行う事業場では二級自動車車体整備士等が求められる場合がある)を選任すること
- 作業場・工員数・設備の基準を満たすこと
- 事業場の広さ、屋内作業場・点検作業場の面積、車両置場の確保
- 作業機械器具(プレス機、溶接機、測定用の器具など、車体整備に必要な設備)を備えること
- 欠格事由に該当しないこと(許可の取消しから一定期間を経過していない等)
面積基準や必要な機械器具の具体的な数値は、対象とする自動車の種類(普通・小型・軽・大型など)によって異なります。またフレーム修正機や車体寸法測定器など、車体整備固有の設備が求められる点が、原動機系の分解整備とは異なるところです。詳細は事業場を置く地域を管轄する運輸支局の窓口で、対象車種を伝えて確認してください。
申請の流れ
1. 対象車種と作業範囲を決め、要件を満たす物件・設備・人員を確保する 2. 管轄の運輸支局(整備担当)に事前相談する — 図面段階で相談するのが実務上は安全 3. 認証申請書、事業場の平面図・見取図、機械器具一覧、整備主任者の資格証・選任届、従業員名簿、賃貸借契約書または登記事項証明書などを添えて申請 4. 運輸支局による書類審査、必要に応じて現地確認 5. 認証書の交付後、認証工場の標識を掲示して営業開始
費用
認証申請そのものに国への手数料はかかりません(無料)。実際に発生するのは、要件を満たすための投資です。
- 工場物件の取得・賃借費用と改修費
- フレーム修正機、溶接機、測定機器などの設備投資(中古か新品か、対象車種で大きく変動)
- 整備主任者の確保にかかる人件費・資格取得費
- 行政書士に依頼する場合の報酬(事務所により異なる)
つまずきやすい点
- 作業場・車両置場の面積が基準に届かない。特に車両置場は見落とされやすく、申請直前に判明すると物件から探し直しになる
- 整備主任者の資格要件を満たす人材を確保できない。求人と並行して準備しないと、設備が整っても申請できない
- 都市計画法・建築基準法の用途地域制限で、その場所に自動車整備工場を置けない。認証以前の問題として先に確認すること
- 塗装ブースを設ける場合、大気汚染防止法や自治体の環境条例、消防法(危険物としての塗料・シンナーの貯蔵取扱い)に基づく届出が別途必要になる
関連手続きと変更時の注意
自動車車体整備事業認証は更新制ではないため、有効期限による更新申請はありません。ただし、事業場の移転、名称・代表者の変更、作業場の増改築、整備主任者の変更などが生じた場合は、変更届出等が必要です。特に整備主任者が退職して不在になると要件を欠くため、速やかな選任と届出が要ります。
分解整備(原動機、動力伝達装置、走行装置等の取り外しを伴う整備)も併せて行う場合は、自動車分解整備事業の認証が別途必要です。さらに、車検を自社で完結させたい場合は指定自動車整備事業(民間車検場)の指定を目指すことになりますが、これは認証取得後、一定の実績と追加設備・自動車検査員の選任を経てからの段階になります。
まずは管轄運輸支局への事前相談と、用途地域の確認から着手してください。
申請手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(住民票・登記簿謄本など)が別途かかる場合があります。
申請手順
- 1地方運輸局長に申請
- 2整備士の配置確認
- 3認証の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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