自動車分解整備事業認証
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 道路運送車両法第78条
自動車の整備事業を行うための認証
自動車分解整備事業認証は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。国交省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための認証か
自動車分解整備事業認証は、他人の自動車に対して「分解整備(特定整備)」を業として行うために必要な認証です。エンジン・動力伝達装置・走行装置・かじ取り装置・制動装置・緩衝装置・連結装置の取り外しを伴う整備や、2020年の道路運送車両法改正で加わった電子制御装置整備(自動ブレーキ・車線維持などに使うカメラ・レーダーの調整作業=エーミング)を行う事業者が対象です。オイル交換やタイヤ交換だけなら認証は不要ですが、ブレーキ分解やミッション脱着を行うなら認証なしでは違法になります。改正後は制度上「特定整備事業」と呼ばれますが、根拠は引き続き道路運送車両法第78条で、認証は地方運輸局長(窓口は管轄の運輸支局)が行います。
取得の必須要件
ハードルが高いのは「人」「場所」「設備」の3点が同時に問われるためです。
- 工員:原則2名以上を常時雇用し、うち1名以上を整備主任者として選任。整備主任者は一級または二級自動車整備士の資格が必要(電子制御装置整備のみなら別途の要件あり)。
- 作業場:屋根のある作業場と車両置場が必要で、対象車種により広さが異なる。普通自動車対応なら作業場が最も広く求められ、軽・小型のみなら狭くて済む。寸法は天井高も含めて図面で審査される。
- 設備:プレスやジャッキ、トルクレンチ、サイドスリップテスタ、ブレーキテスタなど検査機器・作業機械・工具一式。電子制御装置整備ではエーミング用のスペースとスキャンツール、水準器等が追加で必要。
申請の流れと費用
1. 管轄運輸支局へ事前相談(要件・図面の確認) 2. 作業場見取図・敷地求積図・設備一覧・整備士の資格証写し等を準備 3. 認証申請書を提出 4. 運輸支局による現地調査(作業場の寸法・設備の実在確認) 5. 認証書交付
申請手数料は無料です。ただし実費として、作業場・車両置場の確保(賃料・改装)、検査機器・工具の購入、整備士の確保が大きな負担になります。エーミング対応設備は数十万〜数百万円規模になることもあり、ここが実質的な参入コストです。
よくある不認証・差し戻し
- 作業場や車両置場の面積・天井高が基準に不足
- 必要な検査機器・工具が揃っていない、または使用に耐えない
- 整備主任者となる有資格者が確保できていない
- 図面と現地の実態が一致しない
- 申請者または役員が道路運送車両法上の欠格事由に該当
関連する許認可・変更時の注意
認証工場のうち、検査設備や検査員の要件をさらに満たすと「指定自動車整備事業(民間車検場・指定工場)」の指定を受けられ、自社で保安基準適合証を交付できるようになります。車検まで手掛けるなら次の目標です。
認証取得後も、事業場の位置・構造・設備の変更、整備主任者の変更、事業の休廃止は運輸支局への届出が必要です。無届けで作業場を移転・縮小すると認証が維持できなくなるため、設備投資や移転を計画する段階で必ず事前相談することをおすすめします。具体的な面積基準・設備リストは管轄運輸局の公表資料で異なる場合があるため、申請前に最新の基準を確認してください。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1地方運輸局長に申請
- 2整備士の配置確認
- 3認証の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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