環境影響評価書作成
管轄: 環境省 / 根拠法令: 環境影響評価法第2条
大規模事業における環境影響評価の実施
環境影響評価書作成は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
環境影響評価書とは何か
環境影響評価(環境アセスメント)は、道路・ダム・発電所・鉄道・飛行場・埋立てといった大規模な開発事業について、事業者自らが環境への影響を事前に調査・予測・評価し、その結果を公表して住民や行政の意見を反映させる手続きです。環境影響評価法第2条は、この対象となる「事業」を定義し、規模に応じて二つに区分しています。
- 第一種事業: 必ず環境影響評価を実施する大規模事業(例: 高速自動車国道、出力15万kW以上の火力発電所、面積100ha超の埋立て等)
- 第二種事業: 第一種に準ずる規模で、実施の要否を個別に判定(スクリーニング)する事業
評価書は手続きの最終段階で作成される文書であり、いきなり評価書だけを作るものではありません。
対象者・対象業態
許認可申請者は事業者本人です。実務上は、電力会社・鉄道会社・自治体・ゼネコン・デベロッパーなどが該当します。調査・予測の専門性が高いため、環境コンサルタントや建設コンサルタントに委託して図書を作成するのが一般的です。中小規模の開業や店舗出店ではまず対象になりません。
手続きの流れ
環境影響評価法は段階的な手続きを定めており、評価書はその一連の最後に位置します。
- 計画段階配慮書: 事業の早期段階で複数案を比較し環境配慮を検討
- 方法書: どの項目をどう調査・予測・評価するか手法を示し、意見を聴取
- 準備書: 現地調査の結果と予測・評価をまとめた中間文書。説明会・住民意見・知事意見を反映
- 評価書: 準備書に寄せられた意見を踏まえて修正・確定した最終図書
- 報告書: 工事中・供用後の事後調査結果を公表
評価書については、対象事業を所管する許認可等を行う行政機関や環境大臣が関与し、横断条項により事業の免許・許可等の段階で評価書の内容が審査に反映されます。
費用の内訳
環境影響評価法に基づく手続き自体に「申請手数料」はかかりません(無料)。ただし実費負担は大きく、四季を通じた動植物・大気・水質・騒音・景観などの現地調査、予測解析、図書作成を外部委託するため、事業規模により数千万円から数億円規模になることが珍しくありません。調査は複数年にわたることもあり、スケジュールへの織り込みが必要です。具体的な金額は事業種・立地・調査項目により大きく異なります。
よくある差し戻し・修正の要因
「不許可」という形より、手続きの過程で内容修正を求められる点が実務上の壁になります。
- 調査手法が方法書段階で十分に詰められておらず、準備書で項目の不足を指摘される
- 予測条件や前提(交通量・稼働率等)の設定根拠が不明確
- 住民意見・知事意見で示された環境保全措置が評価書に十分反映されていない
- 季節調査の不足など、データの代表性に欠ける
関連・付随する手続き
評価書は単独で完結せず、対象事業を実施するための個別の許認可(電気事業の工事計画、河川法、海岸法・公有水面埋立法、都市計画決定など)と一体で進みます。また、法のアセス対象に満たない規模でも、各都道府県・政令市の環境影響評価条例で独自の対象事業・規模要件を定めている場合があり、法と条例のどちらが適用されるかを事業計画の初期に確認する必要があります。
進め方の要点
まず自社事業が第一種・第二種・条例対象のいずれに該当するか規模要件を照合してください。第二種に当たる場合はスクリーニング判定の見通しを所管行政機関に確認します。対象が確定したら、配慮書・方法書の段階から環境コンサルタントを選定し、調査スケジュール(特に複数季の現地調査)を事業工程に組み込むことが、後戻りを防ぐ最大のポイントです。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1配慮書の作成
- 2方法書の公告・縦覧
- 3準備書の作成
- 4評価書の作成・公告
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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