感染症指定医療機関指定
管轄: 都道府県 / 根拠法令: 感染症法第38条
特定・第一種・第二種感染症指定医療機関の指定。感染症病床や陰圧室等の専用設備が必要。
感染症指定医療機関指定は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。自治体の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
この指定の位置づけと対象
感染症指定医療機関の指定は、感染症法に基づき、一類・二類感染症など法定の感染症患者を隔離・入院させて医療を提供する病院を、都道府県知事があらかじめ指定しておく制度です。誰でも申請できる営業許可とは性質が異なり、地域の医療提供体制を担う公的な役割を引き受けるための指定です。
対象は病院であり、診療所は対象外です。指定は3区分に分かれます。
- 特定感染症指定医療機関: 新感染症や一類感染症に対応。厚生労働大臣が指定(全国に数か所のみ)
- 第一種感染症指定医療機関: 一類感染症(エボラ出血熱、ペスト、ラッサ熱等)に対応。原則として各都道府県に1か所
- 第二種感染症指定医療機関: 二類感染症(結核、重症急性呼吸器症候群、鳥インフルエンザ等)に対応。二次医療圏ごとに整備
必須要件(施設・人員)
最大のハードルは設備です。第一種・第二種では感染症病床(結核は結核病床)の確保が前提となり、特に第一種では陰圧個室・前室を備えた高度な構造が求められます。具体的には、室内を陰圧に保つ空調、HEPAフィルターによる排気処理、専用の前室による二重扉構造、汚染区域とのゾーニング、専用の汚物・排水処理などが審査されます。
加えて、感染症診療に対応できる医師・看護師の確保、防護具や検査体制、保健所・他医療機関との連携体制も問われます。多くは新規参入ではなく、既存病院が病床機能を整備したうえで指定を受ける形です。
申請の流れと費用
指定申請の手数料は無料です。実務上は、都道府県の医療計画に基づき行政側から協議・依頼を受ける形で進むことが多く、開設者の申請→都道府県による設備・人員審査→医療審議会等の意見聴取→知事の指定、という流れになります。
費用がかかるのは指定そのものではなく施設整備です。陰圧病床の整備には相応の設備投資が必要で、国・都道府県の「感染症指定医療機関施設整備費補助金」等の対象となる場合があります。補助率や対象は自治体・年度により異なるため、所管課に必ず確認してください。
つまずきやすい点と関連手続き
- 設備基準(陰圧・換気・ゾーニング)の不適合は最も多い差し戻し理由
- 専門人員の確保不足、感染症病床の許可未取得
- すでに当該医療圏に指定機関があり、新規指定の必要性が認められないケース
前提として医療法上の病院開設許可と、感染症病床・結核病床の許可(病床数の変更許可)が必要です。指定後に病床数や開設者を変更する場合は、別途変更の届出・協議が求められます。指定に一律の更新期限はありませんが、指定要件を満たせなくなった場合は辞退・取消の対象となるため、設備と人員の維持が継続的に必要です。
まず行うべきは、自院の所在する二次医療圏に必要な区分の指定枠が空いているかを都道府県の医療政策担当課に確認し、整備費補助の有無と併せて協議を始めることです。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1感染症病床の整備
- 2都道府県知事に指定申請
- 3審査
- 4指定通知
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無料で相談する →取得のポイント
- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●自治体ごとに手続きや要件が異なります。必ずお住まいの自治体のウェブサイトで最新情報を確認してください。
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