公証人任命
管轄: 法務省 / 根拠法令: 公証人法第11条
公証人として任命されるための手続き
公証人任命は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
公証人任命とは何か
公証人は、公正証書の作成、私署証書や定款の認証、確定日付の付与などを行う公務員です。ただし国から給与を受ける一般の役人とは異なり、当事者から受け取る公証手数料で運営する独立採算の立場にあります。この「公証人任命」は、事業者が許可を得て開業するタイプの許認可ではなく、公証人法第11条に基づき法務大臣が個人を任命する人的な公務就任手続きである点が最大の特徴です。新規に自由参入できるものではありません。
任命の要件(誰が任命されうるか)
公証人法は任命される者の資格を厳しく限定しています。
- 裁判官・検察官・弁護士のいずれかの資格を有する者(第13条)
- 上記資格はないが、多年にわたり法律に関する実務に従事し、公証人審査会の選考を経た者(第13条ノ2、いわゆる特任公証人)
制度上は試験による任命(第12条)も規定されていますが、実際にはほとんど実施されておらず、現実の任命は元裁判官・元検察官・法務省や登記畑の実務経験者が選考を経て就くケースが大半です。加えて第14条の欠格事由(破産手続開始の決定を受けて復権していない者、一定の刑罰歴など)に該当しないことが必要です。
任命の流れ
- 法務省・各法務局による公証人の募集
- 必要書類の提出と公証人審査会による選考
- 法務大臣による任命(第11条)
- 所属する法務局・地方法務局の管轄区域の指定
- 指定された公証役場での執務開始
事業者が自分で「申請して許可をもらう」のではなく、欠員のある役場・地域に対して募集・選考が行われる仕組みである点を理解しておく必要があります。
費用について
任命手続き自体に申請手数料はかからず、目安は無料です。ただし公証人には国からの給与がなく、執務に使う公証役場の賃料・事務員の人件費などは公証人自身の手数料収入から負担します。つまり「開業コスト」は任命費用ではなく、役場運営費として発生します。
つまずきやすい点・注意
- 資格要件を満たさない一般の事業者は、原則として任命対象になりません。法律実務経験のない人が直ちに目指せる制度ではありません。
- 定年は70歳(第15条)と定められており、就任時期によって在任期間が制限されます。
- 配置される地域・役場は法務大臣が指定するため、希望地で必ず執務できるとは限りません。
関連する事項
公証人が日常的に扱う公正証書作成や定款認証は、それ自体が国民・法人向けの公証制度です。公証人を目指す段階では、弁護士登録や検察官・裁判官としての経歴が前提になることが多く、これらの法曹資格・実務経験の積み上げが事実上の前提条件となります。具体的な募集状況や選考基準は、所管する法務省・各法務局に直接確認することをおすすめします。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1法務大臣による選考(検事・判事経験者等)
- 2任命
- 3公証役場の指定
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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