外航海運業届出
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 海上運送法第19条の5
外航(国際)貨物海上運送を行うための届出
外航海運業届出は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査期間は標準的で、国交省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
外航海運業届出とは
外航海運業届出は、海上運送法に基づき、日本の港と外国の港との間で船舶を使って貨物・旅客を運ぶ事業(外航海運業)を始める際に、国土交通大臣へ事前に届け出る手続きです。許可制ではなく「届出制」である点が最大の特徴で、行政庁の審査・認可を待つ必要はなく、要件を満たした届出書を提出すれば事業を開始できます。難易度が「medium」とされるのは、手続き自体ではなく、添付書類や事業区分の整理に専門的な判断が必要になるためです。
対象となるのは主に次の事業者です。
- 自社で船舶を運航して国際貨物・旅客を運ぶ事業者(外航船舶運航事業)
- 船舶を他社に貸し渡す事業者(外航船舶貸渡業)
つまり「船を動かす側」と「船を貸す側」の双方が、それぞれの立場で届出の対象になり得ます。
取得の要件と性質
届出制のため、資本金・船腹量・資格者の配置といった実体的な許可要件は課されていません。判断のポイントは「自社の事業がどの区分の届出に当たるか」を正確に切り分けることです。定期航路か不定期航路か、運航事業か貸渡業か、外航か内航かによって提出書類と届出先が変わります。日本籍船を保有していない外国用船中心の事業でも、外航海運業を営む実態があれば届出が必要です。
届出の流れ
- 事業形態(運航事業/貸渡業、定期/不定期)を確定する
- 届出書および事業計画・使用船舶の概要などの添付書類を作成する
- 管轄の地方運輸局(海事部門)を経由して国土交通大臣あてに提出する
- 受理をもって事業開始が可能(標準処理に長期の審査期間は要しない)
事業開始前の届出が原則であり、開始後の事後届出は認められません。
費用
届出そのものに申請手数料はかからず、費用の目安は無料です。実費として発生するのは、書類作成を行政書士等へ委託する場合の報酬や、登記事項証明書などの取得実費に限られます。
よくある差し戻し・注意点
- 事業区分の誤り(内航海運業として登録・許可が必要なケースを外航届出で出す、運航と貸渡を混同する)
- 添付書類(事業計画、使用船舶明細、定款・登記事項証明書など)の不足や記載不整合
- 外航利用運送(実運送を持たず船腹を仕入れて運ぶNVOCC型)を、海上運送法の届出だけで足りると誤認するケース
特に最後の点は重要で、自社で船を運航せず他社の船腹を利用して国際海上貨物を運ぶ場合は、海上運送法ではなく貨物利用運送事業法に基づく登録(外航利用運送)が必要になります。
関連する許認可
- 外航利用運送事業(貨物利用運送事業法/登録)— 船腹を仕入れて運ぶ場合
- 内航海運業(内航海運業法/登録・許可)— 国内港間の輸送を兼業する場合
- 通関業・倉庫業 — 国際物流を一体で手掛ける場合
変更・廃止時の注意
届け出た事項(事業計画、使用船舶、住所・名称など)に変更が生じた場合や、事業を休止・廃止する場合も、それぞれ届出が必要です。事業区分が判然としないときは、提出前に管轄の地方運輸局へ事前相談し、自社の輸送形態がどの法令・どの届出に該当するかを確認しておくと、差し戻しを避けられます。
申請手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(住民票・登記簿謄本など)が別途かかる場合があります。
申請手順
- 1国土交通大臣に届出
- 2届出受理通知を受領
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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