債権回収業(サービサー)許可
管轄: 法務省 / 根拠法令: 債権管理回収業に関する特別措置法第3条
特定金銭債権の管理回収を業として行うための許可
債権回収業(サービサー)許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための許可か
債権回収業(サービサー)許可は、本来「弁護士法第73条」によって弁護士以外に禁じられている他人の債権の取立てを、特定の金銭債権に限って民間の株式会社に解禁するための許可です。金融機関の不良債権処理を促進する目的で1999年に施行された債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)に基づき、法務大臣が許可します。
扱えるのは法律で列挙された「特定金銭債権」に限られます。具体的には、銀行など金融機関の貸付債権、リース・クレジット債権、保証会社の求償権、倒産手続中の事業者が有する債権などです。一般の売掛金やサラ金以外の事業者間債権を広く買い取って取り立てることはできません。対象債権の範囲を超えた回収は、弁護士法違反になります。
取得の必須要件
ハードルは費用ではなく組織要件にあります。
- 株式会社であること(合同会社・個人事業は不可)
- 資本金5,000万円以上
- 常務に従事する取締役のうち1名以上が弁護士であること
- 取締役・主要株主・使用人に暴力団員等や一定の前科者がいないこと
- 回収業務を適正に遂行できる人的・物的体制があること
特に「弁護士である取締役の常勤」が実務上の最大の関門です。名義貸しは認められず、実際に業務を統括できる弁護士を役員として確保する必要があります。
申請の流れと費用
申請は本店所在地を管轄する法務局経由ではなく、法務省(法務大臣)に対して行います。事業計画書、定款、登記事項証明書、取締役・株主の履歴書や身分に関する書類などを提出し、警察庁への照会を含む暴力団排除の審査を経て許可が下ります。審査期間は数か月単位です。
許可申請の手数料自体は不要ですが、許可に伴う登録免許税が課されます(金額は要確認・所管庁の最新情報による)。実質的な負担は、資本金5,000万円の確保と弁護士役員の人件費です。
よくある不許可・差し戻し理由
- 弁護士である取締役が形式的で、常勤・常務従事の実態を欠く
- 資本金や財産的基礎が不十分で業務継続性に疑義がある
- 取締役・株主に暴力団関係者や反社会的勢力との関係が認められる
- 事業計画における取扱債権が「特定金銭債権」の範囲を超えている
取得後・変更時の注意
許可後は3年ごとの更新ではなく、業務報告書の提出など継続的な監督下に置かれます。商号・取締役・資本金・営業所などに変更があった場合は法務大臣への届出や承認が必要です。取締役弁護士が欠けた状態を放置すると許可要件を満たさなくなり、業務改善命令や許可取消しの対象となります。委託先(回収委託を受ける場合の委託元)や債務者への取立て方法にも厳格な行為規制があり、違反は刑事罰に直結する点に注意してください。
まずは、弁護士である取締役の確保と資本金5,000万円の調達計画を固めることが、申請可否を分ける最初のステップです。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1法務大臣に許可申請
- 2資本金要件(5億円以上)の確認
- 3弁護士の取締役就任
- 4許可の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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