船舶登記・登録
管轄: 国土交通省/法務局 / 根拠法令: 船舶法第1条
船舶の所有権を登記・登録する手続き
船舶登記・登録は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は一般的な水準で、事前に予算を確保しておくと安心です。審査期間は標準的で、国交省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
この登記・登録は何のためのものか
船舶登記・登録は、船舶の所有関係や国籍を公的に確定させるための手続きです。同じ「船」でも、私法上の権利(所有権・抵当権など)を公示する「登記」と、行政上の国籍・船籍を確定する「登録」という性格の異なる2つの手続きが組み合わさっている点が、この制度の最大の特徴です。
船舶法第1条は、日本国民または日本の法令に基づき設立され代表者・業務執行者が日本国民である会社が所有する船舶を「日本船舶」と定めています。日本船舶でなければ日本の国旗を掲げられず、不開港場への寄港や沿岸輸送(カボタージュ)に従事できないため、事業として船舶を用いる事業者にとって登録は前提条件になります。
対象となる船舶と手続きの分かれ目
総トン数によって手続きが大きく分かれます。
- 総トン数20トン以上の船舶 — 法務局での「船舶登記」と、地方運輸局での「船舶登録」の両方が必要。登録により船舶国籍証書が交付される
- 総トン数20トン未満の小型船舶 — 船舶法ではなく「小型船舶の登録等に関する法律」に基づき、日本小型船舶検査機構(JCI)で登録する。商業用の漁船など一部に例外区分あり
プレジャーボートか業務船かを問わず、トン数の区分で根拠法と窓口が変わるため、まず自船の総トン数を確認することが出発点になります。
申請の流れ(20トン以上の場合)
1. 法務局(船舶の登記所)で所有権保存の登記を行い、登記事項証明書を取得する 2. 取得した証明書を添えて、船籍港を管轄する地方運輸局へ船舶登録を申請する 3. 審査・原簿登録を経て船舶国籍証書が交付される
登記が先、登録が後という順序が定められており、逆では受理されません。新造船・中古船の購入、輸入船の編入で添付書類が変わります。
費用の内訳
- 船舶登記の登録免許税 — 所有権保存登記は総トン数に応じて課税。免税となる船舶区分もあり、これが目安「0円〜」の理由です
- 登記事項証明書・各種証明の手数料 — 1通あたり数百円程度
- 小型船舶(JCI)の登録手数料 — トン数・申請区分により定額
掲示の上限額(28,000円程度)は登録免許税を含んだ目安であり、トン数・船種・新造か中古かで増減します。正確な税額は管轄法務局・運輸局で確認してください。
よくある差し戻し・つまずき
- 日本船舶の所有者要件(船舶法第1条)を満たさない外国法人・外国人名義での申請
- 総トン数の測度が未了で、登記・登録いずれの区分か確定できないまま申請する
- 法務局の登記を経ずに運輸局へ登録を申請してしまう順序の誤り
- 中古船で前所有者からの権利移転(所有権移転登記)が未処理のまま保存登記を試みる
関連・付随する手続き
- 総トン数測度(登記・登録の前提となる船の大きさの確定)
- 船舶安全法に基づく船舶検査・検査証書の取得
- 抵当権設定登記(船舶を担保に融資を受ける場合)
- 船籍港・船名・所有者の変更が生じた場合の変更登記・変更登録
所有者の住所変更や船名変更でも変更登記・登録の義務が生じます。売船・解体・滅失の際は抹消登録が必要で、放置すると国籍証書が残り続けるため、保有期間中だけでなく手放す段階の手続きまで見据えておくことが実務上重要です。
許認可の申請費用としては平均的な金額です。法定の手数料のため、減額や免除は原則ありません。
申請手順
- 1法務局で船舶登記
- 2地方運輸局で船舶登録
- 3船舶国籍証書の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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