PR会社に必要な許認可
広報・PR活動の代行・コンサルティング
PR会社の開業に必要な許認可・届出
PR会社(広報・PR代行、メディアリレーション、プレスリリース配信代行、インフルエンサー施策などのコンサルティング)の開業に、業界固有の営業許可は存在しません。広告代理業や広報支援は許認可業種ではないため、税務上の開業手続きさえ済ませれば、その日から営業できます。
個人で始める場合に必須となるのは、税務署への個人事業の開業届(開業から1か月以内に提出)です。あわせて青色申告承認申請書を出しておくと、最大65万円の特別控除や赤字繰越が使えます。届出自体は無料で、所管は管轄税務署です。
法人として受注する場合は、法人設立登記が必要になります。クライアントが上場企業や官公庁の広報案件だと、取引条件として法人格を求められることが多く、PR業界では早い段階で法人化するケースが目立ちます。順序としては、まず個人で開業届を出して実績を作り、案件規模が大きくなった段階で法人設立登記に進むのが一般的です。
取得の順序と費用の目安
依存関係はシンプルです。
- 個人開業: 開業届+青色申告承認申請書(費用0円)
- 法人化: 定款認証+法人設立登記。株式会社で実費合計おおよそ22〜25万円(登録免許税15万円、定款認証約5万円、印紙代等)、合同会社なら約6〜10万円
PR会社は在庫も店舗も不要なため、初期の許認可コストはほぼゼロです。費用の大半は登記実費と、後述する各種規制対応のための社内体制づくりに向かいます。
見落としやすい届出・コンプライアンス
許認可ではありませんが、PR業務に固有の法規制対応が開業準備で最も重要です。ここを軽視すると、クライアントを巻き込んだ炎上や行政指導につながります。
- ステマ規制(景品表示法の指定告示、2023年10月施行): インフルエンサー投稿や記事広告で、事業者の依頼によるものは「広告」「PR」と明示する義務があります。PR会社は施策設計の段階で表示ルールを組み込む必要があり、違反時は依頼主である広告主が措置命令の対象になります。
- 薬機法(医薬品医療機器等法): 化粧品・健康食品・サプリのクライアントを担当する場合、効能効果の誇大広告は禁止です。表現チェック体制がないと受注後につまずきます。
- 個人情報保護法: メディアリストや取材先の連絡先、顧客データを扱うため、規模に関わらず個人情報取扱事業者に該当します。大手クライアントの与信ではプライバシーマーク取得を求められることもあります。
- フリーランス新法(特定受託事業者に係る取引適正化法、2024年11月施行): ライターやデザイナー、カメラマンに外注する場合、書面での取引条件明示や報酬支払期日のルールが課されます。外注主体のPR会社は対象になりやすい点に注意してください。
スケジュール感とよくあるつまずき
個人開業なら、開業届の提出と事業用口座・会計ソフトの準備で実質1週間ほどで動き出せます。法人設立は定款作成から登記完了まで2〜3週間が目安です。
つまずきやすいのは、「許可が要らない=何も準備不要」と考えてしまう点です。PR会社のリスクは許認可ではなく、ステマ規制・薬機法・著作権(プレスリリース素材や引用記事の権利処理)といった表示・権利分野に集中します。受注前に業務委託契約書のひな型と表現チェックのフローを整えておくことが、実質的な「開業要件」と言えます。