自動運転車公道走行許可
管轄: 警察庁/国土交通省 / 根拠法令: 道路交通法第77条/道路運送車両法
自動運転車両の公道走行テスト等に必要な許可
自動運転車公道走行許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。国交省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための許認可か
公道で自動運転車を走らせる行為は、用途によって根拠制度が分かれます。大きく「実証実験(テスト走行)」と「レベル4の無人運行サービス(特定自動運行)」の2系統があり、必要な手続きが異なります。開発企業・自治体・交通事業者・大学などが対象で、私有地やテストコース内の走行には該当しません。
レベル別の制度の違い
- レベル2〜3の実証実験: 運転者(または遠隔監視者)が乗務・待機する前提。道路交通法第77条の「道路使用許可」を所轄警察署長に申請します。
- レベル4(特定自動運行): 2023年4月施行の改正道路交通法で新設された制度。運転者不在で運行するため、都道府県公安委員会の「特定自動運行の許可」が必要です。これが現行制度で最も難易度が高い類型です。
取得の必須要件
実証実験(道路使用許可)では、走行ルート・日時・体制を特定し、警察庁「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」に沿った安全確保措置(緊急時に運転操作へ移行できる体制等)を示します。
特定自動運行(レベル4)では、公安委員会へ以下を備えた運行計画の提出が求められます。
- 特定自動運行主任者の配置(遠隔監視・緊急対応を担う者)
- 運行区域・運行経路・速度等を定めた運行計画
- 事故時の措置体制、関係機関(警察・消防)への通報手順
- 地域住民・道路管理者等との調整
車両側の手続き(国土交通省)
許可とは別に、車両自体が道路運送車両法の保安基準を満たす必要があります。自動運転特有の装置で現行基準に適合しない部分は、国土交通大臣の「基準緩和認定」を受け、その範囲でナンバー(自動車登録)を取得します。警察庁系の走行許可と国交省系の車両認定は別手続きであり、両方をそろえないと公道走行はできません。
申請の流れ
1. 走行類型(実証実験かレベル4運行か)を確定 2. 車両の保安基準適合・基準緩和認定の要否を国交省(地方運輸局)へ確認 3. 走行区域を管轄する警察署/公安委員会と事前協議 4. 道路使用許可または特定自動運行許可を申請 5. 必要に応じ道路管理者の占用・調整、地域説明を実施
費用の内訳
許可そのものの手数料は低額または無料の類型がありますが、道路使用許可は地域により手数料(数千円程度)が生じる場合があり、金額は都道府県公安委員会により異なります。実費の大半は車両改修、保安基準緩和の試験・書類作成、安全管理体制の構築、損害賠償保険の付保に充てられるのが実態です。
よくある差し戻し理由
- 安全確保措置やリスク評価の具体性不足(緊急停止・退避の手順が不明確)
- 運行区域・経路の道路条件と車両性能の整合が示せていない
- 事前協議を経ずに申請し、警察・道路管理者との調整が未了
- 車両側の基準緩和認定が未取得のまま走行許可を申請
更新・変更時の注意
運行区域や経路、運行体制を変更する場合は再申請・変更手続きが必要です。実証実験は許可期間が限定されるため、継続には期間ごとの更新を要します。事故・ヒヤリハットの発生時は公安委員会への報告義務があり、対応を怠ると許可取消の対象となります。制度自体が改正の続く分野のため、申請前に必ず最新の運用を所管庁へ確認してください。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1警察署に道路使用許可申請
- 2走行計画・安全対策の審査
- 3許可証の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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