建設業許可(建築一式工事)
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 建設業法第3条
建築一式工事を施工するための建設業許可。住宅・ビル等の新築・増改築を総合的に請け負う場合に必要となる。元請として建築工事全体を管理する。
建設業許可(建築一式工事)は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。国交省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。なお、5年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
建築一式工事の建設業許可とは
建設業許可29業種のうち、土木一式工事と並ぶ「一式工事」のひとつです。建築一式工事は、住宅・ビル・マンション等の新築や大規模な増改築を、元請として総合的に企画・指導・調整しながら請け負う場合に必要となります。重要なのは、これは「すべての工事を自社で施工できる万能許可」ではない点です。建築一式を持っていても、内装・電気・管といった専門工事を一定金額以上で自ら施工するには、それぞれの専門業種の許可が別途必要になります。
許可が必要になる基準
軽微な工事に該当する場合は許可不要です。建築一式工事では、次のいずれかなら無許可で施工できます。
- 1件の請負代金が1,500万円未満の工事
- 延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
これを超える規模を請け負う、または公共工事の入札に参加する場合は許可が必須です。
一般建設業と特定建設業の区分
下請に出す金額によって区分が分かれます。建築一式工事では、1件の工事で下請契約の総額が7,000万円以上(2023年改正後の基準)になる場合、より要件の厳しい「特定建設業」許可が必要です。それ未満なら「一般建設業」で足ります。元請として大規模物件を扱う見込みがあるなら、最初から特定を視野に入れて技術者・財産要件を準備してください。
取得の主要要件
許可には5つの要件があります。建築一式で特に確認すべきは技術者要件です。
- 経営業務の管理責任者(経管):建設業の経営経験を持つ常勤役員等
- 専任技術者(専技):営業所ごとに常勤。建築一式では一級・二級建築施工管理技士、一級・二級建築士などの資格者、または建築一式工事の実務経験(指定学科卒で3〜5年、無資格で10年)
- 財産的基礎:一般は自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力(残高証明等)。特定は資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上などの厳しい基準
- 誠実性、欠格要件に該当しないこと
特定建設業の専任技術者は一級資格者等に限られ、二級や実務経験では認められません。
申請の流れと費用
営業所が1都道府県内なら知事許可、複数都道府県にまたがるなら国土交通大臣許可です。費用の目安は次のとおりです。
- 知事許可・新規:許可手数料 90,000円
- 大臣許可・新規:登録免許税 150,000円
- 更新(5年ごと):50,000円
これは行政庁に納める法定費用で、行政書士に依頼する場合は別途報酬がかかります。証明書類の収集・常勤性の裏付けに時間を要するため、申請から許可まで知事許可で1〜2か月程度を見込んでください。
よくある差し戻し・不許可理由
- 経管・専技の常勤性が証明できない(他社との兼任、社会保険加入実態の不一致)
- 実務経験を裏付ける契約書・注文書・確定申告書等の年数分が揃わない
- 専任技術者の資格が建築一式に対応していない(専門業種の資格を流用しようとする)
- 財産要件の500万円を、申請直前の一時的な入金で証明しようとして指摘される
更新・変更時の注意
許可は5年ごとの更新が必要で、期限切れは失効を意味します。さらに毎事業年度終了後4か月以内の「決算変更届」の提出が義務で、これを怠ると更新が受けられません。経管・専技の交代、役員・営業所・資本金の変更も都度届出が必要です。許可取得後の維持管理まで含めて体制を整えてください。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1経営業務管理責任者・専任技術者の要件確認
- 2都道府県知事または国土交通大臣に許可申請書を提出
- 3財産的基礎・欠格要件等の審査
- 4許可通知書の受領
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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