暗号資産管理業(カストディ)届出
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 資金決済法第63条の2
暗号資産の管理のみを行う場合の届出(暗号資産交換業に含まれる)
暗号資産管理業(カストディ)届出は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための制度か
暗号資産の売買や交換は行わず、他人のために暗号資産を「管理(保管)」する行為だけを業として行う場合に必要となる規制です。2019年改正資金決済法(2020年5月施行)で、暗号資産の管理業務(いわゆるカストディ業務)が暗号資産交換業の定義に明確に組み込まれました。
注意すべき点として、名称に「届出」とありますが、実態は資金決済法第63条の2に基づく暗号資産交換業者の「登録」です。簡易な届出ではなく、金融庁(財務局)の厳格な審査を経て登録を受ける必要があります。ウォレットサービス、保管代行、機関投資家向けカストディなどが対象になります。
主な対象者
- 顧客の暗号資産を預かり保管・移転を代行する事業者
- 売買機能を持たず保管機能のみを提供するウォレット事業者
- 秘密鍵を事業者側が管理する形態のサービス
逆に、利用者自身が秘密鍵を完全に管理し、事業者が一切関与しない非カストディ型(ノンカストディアル)であれば、この登録の対象外と整理されることがあります。
取得の必須要件
- 法人であること(株式会社、または国内に営業所を持つ外国会社)
- 資本金1,000万円以上、かつ純資産がマイナスでないこと
- 暗号資産交換業を的確に遂行する体制(コンプライアンス、内部監査、システムリスク管理)
- 利用者の暗号資産と自己資産の分別管理、および公認会計士・監査法人による分別管理監査
- 原則コールドウォレットでの管理。ホットウォレットで管理する分は、同種・同量以上の暗号資産を弁済原資として自社保有する義務
実務上、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)への加入が前提となり、その自主規制規則への準拠も求められます。
申請の流れ
1. 事前相談(財務局・金融庁との面談)。多くの場合ここに数か月を要する 2. 体制整備・社内規程・システム構築 3. 登録申請書および添付書類の提出 4. 審査・追加資料対応 5. 登録、官報・登録一覧への掲載
費用の内訳
登録自体に登録免許税などの行政手数料はかからず、申請費用の目安は無料です。ただし実際のコストはシステム構築、外部監査費用、専門人材の確保、JVCEA加盟費用などが中心で、相応の自己資本と運転資金が必要になります。
よくある差し戻し・不登録の理由
- セキュリティ・システムリスク管理体制が実態として不十分
- マネー・ローンダリング/テロ資金供与(AML/CFT)対策の不備
- 分別管理・弁済原資の確保方法が要件を満たさない
- 役員・主要株主の適格性に懸念がある
関連する手続き
- 暗号資産交換業(売買・交換を行う場合の本体登録)
- 犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認体制
- 売買も行うなら金融商品取引業の検討が必要な場合がある
変更・継続時の注意
取扱う暗号資産の追加、業務方法書の変更、役員変更などは事前届出・変更登録の対象です。登録後も継続的な外部監査と当局・JVCEAへの報告義務が続くため、登録は到達点ではなく運用体制の出発点と捉える必要があります。
まずは管轄財務局への事前相談予約と、自社が「管理のみ」に該当するか(カストディ型か非カストディ型か)の整理から着手してください。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1金融庁に登録申請
- 2暗号資産の分別管理体制の確認
- 3情報セキュリティ審査
- 4登録の交付
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無料で相談する →取得のポイント
- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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