セキュリティトークン取扱業登録
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 金融商品取引法第29条
セキュリティトークン(電子記録移転有価証券表示権利等)の取扱業務の登録
セキュリティトークン取扱業登録は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
セキュリティトークン取扱業登録とは
セキュリティトークン(ST)とは、ブロックチェーン等の電子的技術で発行・移転される有価証券で、金融商品取引法上は「電子記録移転有価証券表示権利等」と位置づけられる。とりわけ集団投資スキーム持分などをトークン化した「電子記録移転権利」は、原則として流動性の高い第一項有価証券として扱われる。
この登録は、STを投資家に勧誘・販売したり、売買の媒介・引受け・私募の取扱いを業として行う事業者が対象となる。STO(セキュリティ・トークン・オファリング)プラットフォーム運営、証券会社、不動産・ファンドの小口化商品をトークンで販売する事業者が典型例である。
必要となる登録区分
ST(電子記録移転権利)の販売・勧誘・媒介を行う場合、金商法第29条に基づく「第一種金融商品取引業」の登録が必要になる。難易度が hard とされるのはこのためで、第一種は金商業の中でも最も要件が重い。主な要件は次のとおり。
- 株式会社であること(取締役会・監査役または監査等委員会等の設置)
- 資本金5,000万円以上、かつ純財産額5,000万円以上
- 自己資本規制比率120%以上の維持
- コンプライアンス・内部管理を担える人的構成(証券・金融実務経験者の確保)
- 投資家資産の分別管理体制とシステム管理体制
- 日本証券業協会または日本STO協会への加入
なお、トークンが暗号資産に該当する設計の場合は別途「暗号資産交換業」の登録が問題になり得るため、トークンの法的性質の整理が出発点となる。
申請の流れと費用
1. 管轄財務局への事前相談(最重要。ここで体制・商品設計を詰める) 2. 登録申請書および業務方法書・社内規則・人的構成・財産的基礎を示す書類の提出 3. 財務局による実質審査(数か月〜1年以上に及ぶことが多い) 4. 登録完了・登録簿への記載
申請手数料そのものは無料だが、第一種金融商品取引業の登録には登録免許税15万円が課される。実質的な負担は資本金5,000万円の確保、人件費、システム構築費、協会加入金・年会費であり、初期コストは大きい。
よくある差し戻し・不登録の理由
- 財産的基礎の不足(資本金・純財産額・自己資本規制比率の未達)
- 人的構成の不備(金融実務経験者やコンプライアンス責任者の不在)
- 業務方法書・社内規程の記載不足、リスク管理体制の説明不足
- 分別管理・システムの安全管理措置が不十分
- 役員等の反社会的勢力・欠格事由のチェック漏れ
関連する登録と変更時の注意
ファンド持分の自己募集など取扱内容によっては第二種金融商品取引業、運用を伴う場合は投資運用業の登録が併せて必要になることがある。
金商業登録に有効期限・更新制度はないが、登録後は事業報告書の提出、自己資本規制比率の継続維持、役員・業務内容変更時の変更登録・届出が義務づけられる。取扱う有価証券の種類や業務範囲を広げる際は事前に変更登録が必要となるため、商品設計の段階から管轄財務局・専門家と十分に協議することが現実的な進め方となる。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1金融庁に登録申請
- 2資本金要件の確認
- 3システム審査
- 4登録の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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