潜水士免許
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 労働安全衛生法第72条
潜水業務を行うための免許
潜水士免許は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は一般的な水準で、事前に予算を確保しておくと安心です。審査期間は標準的で、厚労省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
潜水士免許とは — 業務として水中作業を行う人の国家資格
潜水士免許は、空気や酸素の供給を受けて水中で行う「潜水業務」に従事する人に義務づけられた国家資格です。労働安全衛生法第72条に基づく免許で、所管は厚生労働省です。建設工事の水中作業、サルベージ(沈船・物件の引き揚げ)、港湾・ダム・橋脚の点検、水中溶接・切断、漁港や養殖場での潜水作業、水族館の水槽清掃などが対象になります。
重要なのは、レジャーダイビングの民間Cカード(PADI等)とはまったく別物だという点です。報酬を得て業務として潜水する場合は、Cカードを持っていても潜水士免許がなければ就けません。逆に、潜水士免許は「業務に従事する資格」であり、レジャーでの潜水には不要です。
取得の要件 — 受験資格に制限はない
潜水士試験は学科のみで、実技試験はありません。受験そのものに学歴・実務経験・年齢の制限はなく、誰でも受験できます。ただし免許証の交付は満18歳以上が条件のため、18歳未満は合格しても交付が18歳まで保留されます。
試験は公益財団法人 安全衛生技術試験協会が、全国7か所の安全衛生技術センターおよび各地の出張試験で実施します。出題は次の4科目です。
- 潜水業務(潜水の種類、作業の方法など)
- 送気及び潜降・浮上(送気量の計算、減圧など)
- 高気圧障害(減圧症、酸素中毒、窒素酔いなど)
- 関係法令(高気圧作業安全衛生規則など)
合格基準は、各科目40%以上かつ合計60%以上の得点です。1科目でも40%未満があると不合格になるため、苦手科目を作らない学習が必要です。計算問題(送気量・減圧時間)が含まれる点が、純粋な暗記型試験と異なる特徴です。
申請の流れと費用の内訳
手順は「受験申請 → 学科試験 → 合格 → 免許申請 → 免許証交付」です。
- 受験手数料: 6,800円(試験協会への払込)
- 免許申請手数料: 1,500円(収入印紙を免許申請書に貼付)
- そのほか証明写真、住民票(本籍記載)、郵送費など実費
試験に合格しても、自動で免許証が届くわけではありません。合格後に自分で「免許申請書」を作成し、東京労働局免許証発行センターへ郵送して申請する必要があります。この申請手数料が収入印紙1,500円分です。受験手数料(6,800円)と免許申請手数料(1,500円)は別物なので、合計でおよそ8,300円+実費を見込んでください。
よくある差し戻し・不交付の理由
免許申請の段階での書類不備が最も多いトラブルです。
- 収入印紙の貼付漏れ・金額不足
- 本籍が記載された住民票でない(マイナンバー記載のものは不可)
- 写真の規格不適合(サイズ・撮影時期)
- 試験合格通知書(免許試験合格通知書)の番号記入漏れ
試験そのものは前述のとおり1科目でも40%未満で不合格になるため、合計点が60%を超えていても落ちるケースがあります。
関連・付随する資格と更新
潜水士免許は個人に与えられる資格で、有効期限はなく更新手続きは不要です。氏名・本籍が変わった場合は書換え申請、紛失時は再交付申請を行います。
実務では潜水士単独で完結しないことが多く、現場では以下を併せて備えるのが一般的です。
- 高気圧業務に係る作業を指揮する場合の安全衛生体制(送気設備・再圧室など事業者側の規則対応)
- 酸素欠乏・硫化水素危険作業に関する特別教育
- 移動や作業に船を使う場合の小型船舶操縦士免許
開業・受注の観点では、潜水士免許は「人」の資格であり、それだけで建設業や土木の元請になれるわけではありません。水中工事を事業として請け負うなら、建設業許可(とび・土工工事業など)の取得が別途必要になる場合があります。まずは潜水士免許で従事資格を満たし、事業形態に応じて必要な業許可を重ねて検討するのが現実的な進め方です。
許認可の申請費用としては平均的な金額です。法定の手数料のため、減額や免除は原則ありません。
申請手順
- 1潜水士免許試験を受験
- 2合格後に免許申請
- 3免許証の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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