フィンテック資金移動業登録
管轄: 金融庁 / 根拠法令: 資金決済に関する法律
フィンテックサービスとして資金移動業を営むための登録。送金アプリやデジタルウォレットサービスが対象。
フィンテック資金移動業登録は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
この登録は何のためのものか
資金移動業登録は、銀行以外の事業者が「為替取引(送金)」を業として営むために必要な登録です。送金アプリ、デジタルウォレット、プリペイドと連動した個人間送金、海外送金サービスなどが該当します。単なる前払式支払手段(チャージして自社内で使うだけ)は資金移動業ではなく、「第三者へ資金を移動できる」「払い戻せる」機能を持つと資金移動業に該当します。自社サービスが為替取引に当たるかどうかが最初の論点で、ここを誤ると無登録営業のリスクになります。
3類型と取得要件
2021年施行の改正資金決済法で、送金額に応じて3類型に分かれました。
- 第一種:1件あたりの上限なし。登録に加えて認可が必要で、要件が最も厳格
- 第二種:1件あたり100万円以下。登録制
- 第三種:1件あたり5万円以下。登録制で、利用者資金の保全方法が一部緩和
共通の登録要件は次の通りです。
- 株式会社であること(外国資金移動業者を除く)
- 業務を適正に遂行できる財産的基礎と人的構成・社内体制
- 利用者資金の保全(供託・銀行保証・信託のいずれか。原則として送金額に応じた額を常時保全)
- 犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認・マネロン/テロ資金供与対策(AML/CFT)体制
- 個人情報・システムリスク管理体制
申請の流れと費用
申請先は本店所在地を管轄する財務局(実質的に金融庁の審査)です。登録申請書に加え、業務方法書、社内規則、資金保全方法を示す書類などを提出します。事前に財務局との面談(プレ相談)を重ねながら書類を固めるのが通例で、登録まで半年〜1年以上かかることも珍しくありません。
費用の目安(1,000,000〜5,000,000円)の内訳は、登録免許税(15万円)に加え、弁護士・コンサル等の専門家報酬、業務方法書やAML体制の構築費用、システム監査・セキュリティ対応費が中心です。これとは別に、利用者資金保全のための供託金や保証・信託コストが運転資金として継続的に必要になります。
よくある差し戻し・不許可の理由
- 業務方法書とAML/CFT規程が抽象的で、実際の業務フローと一致していない
- 利用者資金の保全方法・保全額の算定が不十分
- システムリスク・外部委託先管理の体制が説明できていない
- 役員・主要株主の適格性に関する説明不足
登録後の注意
登録後も、毎営業日の保全額の算定・供託、定期的な報告書提出、当局検査への対応が継続します。送金上限の引き上げ(第二種→第一種)や業務方法の変更には変更登録・認可が必要です。まずは自社サービスがどの類型に当たるかを整理し、財務局のプレ相談を早期に申し込むことが現実的な第一歩です。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1関東財務局への事前相談
- 2内部管理体制・AML/CFT体制の整備
- 3資金移動業登録申請書の提出
- 4財務局による審査
- 5登録の完了・公示
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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