放射性物質使用届出
管轄: 原子力規制委員会 / 根拠法令: 放射性同位元素等規制法第3条
放射性同位元素を使用する事業者に求められる届出・許可。使用量や種類に応じて届出または許可が必要。
放射性物質使用届出は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。原子力規制委員会の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
この届出・許可が必要になる場面
放射性同位元素等規制法(RI規制法)は、放射性同位元素(RI)や放射線発生装置を業として使用する事業者に、安全管理を義務づける制度です。医療機関の核医学検査、非破壊検査(工業用X線・ガンマ線探傷)、研究機関の標識化合物実験、厚さ計・密度計などの装備機器を扱う場合が典型です。
ポイントは、使用するRIの「数量」と「密封・非密封の別」で手続きが分岐することです。
- 許可使用者(法第3条): 非密封RIを使う場合、または密封線源で1個あたり下限数量の1,000倍を超える場合。原子力規制委員会の「許可」が必要
- 届出使用者(法第3条の2): 密封RIで下限数量を超え、1,000倍以下にとどまる場合は「届出」で足りる
- 表示付認証機器届出使用者: 国の認証を受けた機器(一部の測定器など)のみを使う場合の簡易な届出
下限数量は核種ごとに告示で定められており、Co-60やCs-137など核種によって基準値が異なります。自社の線源の核種・放射能(Bq)を線源証明書で確認することが出発点です。
取得の必須要件
- 放射線取扱主任者の選任: 非密封・大規模なら第1種、密封中心なら第2種、特定の届出使用者は第3種。いずれも国家試験合格+資格講習の修了者が必要で、確保に時間がかかります
- 施設基準: 使用室、貯蔵施設、廃棄施設について遮蔽・標識・管理区域の設定など構造基準を満たすこと
- 放射線障害予防規程の作成、被ばく管理・教育訓練・測定体制の整備
申請の流れと費用
許可使用の場合、申請書に施設の図面・遮蔽計算・線源仕様を添えて原子力規制委員会へ提出し、審査を経て許可。一定数量以上は使用開始前に施設検査、その後は定期検査・定期確認が課されます。届出使用は審査ではなく届出受理で使用可能ですが、要件は満たす必要があります。
費用の目安(30,000〜200,000円)の内訳は、登録免許税・申請手数料といった国への費用に加え、遮蔽計算や図面作成、行政書士・専門業者への委託費が中心です。施設の遮蔽工事費は別途で、線源の規模により大きく変動します。
つまずきやすい点
- 主任者が未選任・不在で申請が進まない
- 遮蔽計算や管理区域の境界(実効線量限度)の根拠が不十分で差し戻し
- 下限数量の判定を誤り、本来は許可が必要なのに届出で済ませようとする
- 廃棄(保管廃棄・委託廃棄)の計画が示せていない
変更・その後の管理
使用核種・数量・施設・主任者の変更時は変更許可または変更届が必要です。不要になったRIは譲渡・返還・委託廃棄で適正に処理し、廃止時には廃止届と汚染検査が求められます。さらに数量基準を超える事業者には、定期検査・定期確認や放射線管理状況報告が継続的に課されるため、取得後の運用体制まで含めて準備してください。
なお下限数量や手数料の額は告示・政令で改定されることがあるため、申請前に原子力規制庁の最新の公表値を必ず確認してください。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1放射線取扱主任者を選任する
- 2放射線障害防止のための施設を整備する
- 3原子力規制委員会に使用許可申請書を提出する
- 4施設の検査が行われる
- 5審査通過後、使用許可証が交付される
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
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