安全衛生管理計画届出
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 労働安全衛生法第88条
大規模な建設工事・機械設置等に関する計画の届出
安全衛生管理計画届出は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査期間は標準的で、厚労省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
安全衛生管理計画届出とは
労働安全衛生法第88条にもとづく「計画の届出」は、危険・有害性の高い大規模工事や一定の機械設備を着工・設置する前に、その計画を行政にあらかじめ提出させ、労働災害を未然に防ぐための制度です。対象になるのは主に建設業・土石採取業の事業者と、特定の機械等を設置する製造業等の事業者で、許可制ではなく「事前届出」である点が大きな特徴です。
届出が必要になるケース
第88条は届出先と期限が分かれており、自社の工事規模で判断します。
- 機械等の設置・移転・変更(第88条第1項):プレス機械、化学設備、乾燥設備、足場(つり足場・張出し足場や高さ10m以上で60日以上設置するもの)、型枠支保工(支柱高さ3.5m以上)などを設置する場合。工事開始の30日前までに、所轄の労働基準監督署長へ届け出ます。
- 大規模建設工事(第88条第2項):高さ300m以上の塔、堤高150m以上のダム、長さ3,000m以上のずい道など特に大規模なもの。仕事開始の30日前までに厚生労働大臣へ届け出ます。
- 一定規模の建設工事(第88条第3項):高さ31mを超える建築物・工作物、最大支間50m以上の橋梁、ずい道、掘削の高さまたは深さ10m以上の地山掘削、石綿等の除去作業など。仕事開始の14日前までに所轄労働基準監督署長へ届け出ます。
費用と作成上の要件
届出そのものに手数料はかからず無料です。コストとして見込むべきは、計画書・図面の作成や、有資格者を参画させる場合の人件費です。第88条第4項により、一定の建設工事の計画作成にあたっては、工事の種類に応じた資格(労働安全衛生規則第92条の2に定める実務経験等)を有する者を参画させる義務があります。
申請の流れ
1. 自社の工事・設備が第88条の対象規模に該当するか確認する 2. 該当する届出区分(機械等設置届・建設工事計画届)と期限を特定する 3. 工事概要書、配置図、構造図、施工方法・安全対策を記した書面を作成する 4. 必要に応じて有資格者を計画作成に参画させる 5. 期限(30日前または14日前)までに所轄労基署長または厚労大臣へ提出する
よくある差し戻し・指摘理由
- 着工日から逆算した提出期限(14日前・30日前)に間に合っていない
- 安全衛生上の措置や施工方法の記載が抽象的で、危険防止対策が読み取れない
- 図面と工事概要の数値(高さ・支間・深さ)が不整合
- 有資格者の参画が必要な工事で参画証明を欠いている
届出後に審査で問題が認められると、行政から計画変更命令や工事差止命令が出される場合があります。
関連する手続き・注意点
ボイラー、第一種圧力容器、クレーン、ゴンドラなどは第88条ではなく、それぞれの個別規則による設置届・落成検査の対象になるため、別ルートで手続きします。また石綿除去を伴う工事では、大気汚染防止法・石綿障害予防規則上の届出が並行して必要です。計画内容を途中で変更する場合は、変更後の計画について改めて期限内に届け出る必要があるため、設計変更が見込まれる工事ほど早めの準備をおすすめします。
申請手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(住民票・登記簿謄本など)が別途かかる場合があります。
申請手順
- 1所轄労働基準監督署に届出
- 2計画の審査
- 3届出受理通知を受領
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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