社会保険労務士法人設立届出
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 社会保険労務士法第25条の6
社会保険労務士法人を設立するための届出
社会保険労務士法人設立届出は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査期間は標準的で、厚労省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
この届出の位置づけと対象者
社会保険労務士法人設立届出は、社会保険労務士が個人開業ではなく「法人」として労働社会保険手続業務やコンサルティング業務を行うために必要な手続です。根拠は社会保険労務士法第25条の6で、法人を設立して登記を終えた後、その成立を全国社会保険労務士会連合会へ届け出ることを義務づけています。届出を怠ると法人として正式に業務を開始できず、過料の対象にもなり得ます。
対象は、既に開業登録している社会保険労務士本人です。法人化の主な動機は、複数の社労士で組織的に業務を行う、事業承継をしやすくする、対外的な信用力を高める、といった点にあります。なお2016年の法改正により、社員が1人だけの「一人法人」も設立できるようになっています。
設立の必須要件
- 社員(出資者かつ業務執行者)になれるのは、登録済みの社会保険労務士に限られます。事務職員や他士業者は社員になれません。
- 社員は、他の社会保険労務士法人の社員を兼ねることができません。
- 主たる事務所を置き、その所在地を管轄する法務局で設立登記を行う必要があります。
- 法人名称には「社会保険労務士法人」の文字を必ず用います。
申請(設立)の流れ
1. 定款の作成。事業目的・名称・事務所所在地・社員の氏名等を記載します。株式会社と異なり、社労士法人の定款は公証人の認証が不要です。 2. 主たる事務所所在地の法務局へ設立登記を申請。登記が完了した日が法人の成立日です。 3. 成立日から2週間以内に、登記事項証明書と定款の写しを添えて全国社会保険労務士会連合会へ成立の届出を行います(第25条の6)。 4. あわせて、各社員が所属する都道府県の社会保険労務士会を通じた手続も確認します。
費用の内訳
- 設立登記の登録免許税:6万円(社労士法人の設立登記に係る定額)
- 登記事項証明書・印鑑証明書等の実費:数千円程度
- 司法書士・行政書士へ登記や定款作成を依頼する場合の報酬:数万円程度
公証人認証が不要なため、株式会社設立より定款まわりの費用は抑えられます。費用目安の6万〜10万円は、おおむね登録免許税に専門家報酬・実費を加えた水準です。
よくある差し戻し・つまずき
- 届出期限(成立後2週間)を過ぎてしまう。登記完了の見込みから逆算してスケジュールを組むことが重要です。
- 社員が社会保険労務士の登録を完了していない、または登録事務所と法人事務所の整合が取れていない。
- 名称に「社会保険労務士法人」を含めていない、目的の記載が業務範囲と一致しない。
関連・付随する手続
法人設立後は、税務署・都道府県・市区町村への法人設立届出、社会保険(健康保険・厚生年金)の新規適用、従業員を雇う場合の労働保険の手続が別途必要です。また、従たる事務所を設ける場合や社員・名称・所在地を変更した場合は、その都度、連合会への変更の届出と法務局での変更登記が求められます。設立段階で将来の事務所展開や社員構成も見据えて定款を設計しておくと、後の変更手続の負担を減らせます。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1定款の作成
- 2法人登記
- 3所属社労士会に届出
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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