医療法人設立認可
管轄: 都道府県 / 根拠法令: 医療法第44条
医療法人を設立するための認可。都道府県知事の認可が必要で、資産要件や定款の審査がある。
医療法人設立認可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は一般的な水準で、事前に予算を確保しておくと安心です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための認可か
医療法人設立認可は、医師・歯科医師が個人で開設している病院・診療所・介護老人保健施設を法人化し、事業を継続的・組織的に運営できるようにするための認可です。法人化により、複数施設の開設、事業承継のしやすさ、所得分散による節税、社会的信用の向上といったメリットが生じます。一方で、剰余金の配当が禁止され、決算届の提出など毎年の義務が増えるため、医業の規模・承継計画を踏まえた判断が必要です。
対象は、すでに医療機関を開設しているか、これから開設する医師・歯科医師です。診療所が無床か有床かを問わず設立できますが、現在の主流は出資持分のない「基金拠出型医療法人」です。2007年の第5次医療法改正以降、出資持分のある社団医療法人は新規設立できなくなっています。
必須要件
- 開設主体としての実体:設立後に病院・診療所等を確実に開設・運営できること。事業計画と収支予測の妥当性が審査されます。
- 役員:理事3名以上、監事1名以上。理事長は原則として医師または歯科医師でなければなりません(知事の特別な認可がある場合を除く)。監事は法人と利害関係のない者で、理事・職員との兼任は不可。
- 社員(社団の場合):3名以上が望ましいとされます。社員は出資者ではなく社団の構成員です。
- 資産要件:施設の不動産・医療機器などの基本財産に加え、原則として2か月分の運転資金を確保していること。負債過多の状態では認可されにくくなります。
申請スケジュールと流れ
最大の注意点は、申請を受け付ける時期が限られていることです。多くの都道府県で年2回程度しか受付がなく、各回の締切を逃すと半年待ちになります。
一般的な流れは次のとおりです。
- 都道府県への事前相談(設立説明会への参加を求める自治体が多い)
- 仮申請(設立趣意書・定款案・財産目録・事業計画書・役員履歴書などの精査)
- 本申請
- 都道府県医療審議会への諮問・答申
- 知事による設立認可書の交付
- 法務局での設立登記(登記により法人成立)
- 個人開設の廃止届と法人としての診療所開設許可・開設届
費用の内訳
- 設立認可申請の手数料:無料または数千円程度(自治体により異なる)
- 設立登記:医療法人の設立登記は登録免許税が非課税
- 実費:定款認証は不要(医療法人は公証人認証が不要)
- 専門家報酬:行政書士・税理士に依頼する場合、別途20〜50万円程度が相場(任意)
申請費用そのものは低額ですが、施設・運転資金として相応の自己資金を用意できることが実質的な前提条件です。
よくある差し戻し・不認可の理由
- 運転資金(2か月分)の裏付けが不足している
- 役員が親族で占められ、監事に利害関係者を充てている
- 事業計画・収支予測が現実的でない、または既存個人診療所の実績と乖離している
- 定款の記載漏れ、財産目録と帳簿の不一致
- 受付期間外の提出で次回回しになる
設立後に必要な手続き
認可・登記で終わりではありません。設立登記後は速やかに、
- 個人開設診療所の廃止届と、医療法人としての開設許可申請・開設届
- 保険医療機関の指定申請(個人指定から法人指定へ。指定日が切り替わると診療報酬の請求主体が変わるため、空白期間が出ないよう時期調整が必須)
- 税務署・都道府県への法人設立届
を行います。さらに毎事業年度ごとに、決算届(事業報告書・財産目録等)の都道府県への提出、資産総額の変更登記、役員変更時の変更登記が継続的に必要です。これらを怠ると指導の対象となるため、設立はゴールではなく運営義務の始まりと捉えてください。
まずは開設地の都道府県(医務課・医療指導課等)に、直近の受付スケジュールと事前相談の要否を確認することが最初の一歩です。
申請手数料に加え、専門家への依頼費用を含めると総額が大きくなる可能性があります。事前に見積もりを取ることをおすすめします。
申請手順
- 1設立総会の開催
- 2都道府県に設立認可申請
- 3医療審議会の審査
- 4認可書の交付
- 5法務局で登記
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●自治体ごとに手続きや要件が異なります。必ずお住まいの自治体のウェブサイトで最新情報を確認してください。
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