保険医療機関指定
管轄: 厚生労働省(地方厚生局) / 根拠法令: 健康保険法第65条
健康保険による診療を行うための保険医療機関の指定。指定を受けなければ保険診療ができない。
保険医療機関指定は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査期間は標準的で、厚労省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。なお、6年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
何のための指定か
保険医療機関指定は、病院・診療所が公的医療保険(健康保険・国民健康保険など)を使った診療を行うために、健康保険法第65条に基づいて地方厚生局から受ける指定です。指定がなければ、たとえ医療法上の開設手続きを終えていても、患者から3割負担などの形で保険診療費を受け取ることができず、自由診療しか行えません。日本の医療機関のほぼ全てが取得する、開業時に事実上必須の手続きです。
対象は医療機関(病院・診療所)です。調剤を行う薬局は同じ仕組みで「保険薬局の指定」を受けます。
取得の前提となる二つの手続き
この指定は単独では完結せず、先に二つの手続きが必要です。
- 医療機関そのものの開設手続き。診療所は開設届(保健所)、病院は開設許可が前提になります。
- 管理者・勤務する医師の「保険医登録」(健康保険法第64条)。医師個人が保険医として登録されていなければ、機関が指定を受けても保険診療はできません。
つまり「医療機関の開設」「保険医登録」「保険医療機関指定」は別物で、開業時には三つを並行して進める必要があります。
申請の流れと費用
地方厚生局の各都道府県事務所に指定申請書を提出します。申請手数料は無料です。
各厚生局は毎月の申請締切日を設けており、締切までに受理されれば翌月1日付で指定されるのが一般的です(運用は厚生局ごとに異なるため、管轄事務所の締切スケジュールを必ず確認してください)。締切を1日でも過ぎると指定が1か月後ろにずれ、その間の保険診療ができないため、開設日との逆算が重要です。事情により開設日に遡る「遡及指定」が認められる場合もありますが、要件は厳格です。
よくある差し戻し・不指定の理由
- 医療法上の開設届・開設許可が未了、または開設届の写しが添付されていない
- 管理者となる医師の保険医登録が完了していない
- 申請締切を過ぎており、希望日での指定ができない
- 過去に指定を取り消された者で、取消から5年を経過していない(健康保険法第65条第3項に基づく欠格事由)
- 開設者・管理者・所在地などの記載が開設届と一致していない
更新・変更時の注意
指定の有効期間は6年で、6年ごとに更新(みなし更新を含む)の対象になります。また、開設者の変更、移転、名称変更、診療科の変更、休止・廃止などがあった場合は、その都度地方厚生局への届出が必要です。特に移転や開設者変更は新規指定の申請と同様の扱いになることがあり、空白期間が生じないよう早めの相談が欠かせません。
関連して、生活保護法・労災保険・各種公費負担医療の指定医療機関になるには、保険医療機関指定とは別の申請が必要です。保険診療の体制を整えたうえで、扱う患者層に応じてこれらの指定も検討してください。
申請手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(住民票・登記簿謄本など)が別途かかる場合があります。
申請手順
- 1地方厚生局に指定申請
- 2施設の確認
- 3指定通知の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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