労働組合設立届出
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 労働組合法第2条
労働組合を設立した際の届出。法人格を取得するには労働委員会の資格審査が必要。
労働組合設立届出は、比較的スムーズに取得できる許認可です。申請費用も比較的安価に設定されています。審査期間は標準的で、厚労省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
[kyoninka] 労働組合設立届出 解説本文の生成
「労働組合設立届出」とは何か
労働組合の結成そのものに行政の許可や届出は必要ない。日本国憲法第28条が団結権を保障しており、労働者が2人以上集まって規約を定め結成を宣言すれば、その時点で労働組合は成立する。役所への届出義務も、設立登記の義務もない。
ここで実務上「設立届出」と呼ばれているのは、労働組合法上の保護を受けるための「労働委員会による資格審査」を指すことがほとんどである。労働組合法第5条は、労働委員会に証拠を提出して第2条および第2項の要件に適合することを立証しなければ、同法に規定する手続に参与する資格を持たず、同法が定める救済(不当労働行為の救済申立てなど)を受けられないと定めている。つまり「届出をしないと組合を作れない」のではなく、「資格審査を受けていないと不当労働行為救済のような法的救済が使えない」という関係になる。
対象となるのは誰か
- 企業内で労働組合(企業別組合)を新たに結成する労働者
- 産業別・地域別の合同労組(ユニオン)を立ち上げる者
- 既存組合が法人格を取得したい場合(労働組合法第11条の法人登記)
事業者側(会社)が申請するものではない点に注意する。会社が組合の結成に関与・支援すると、後述のとおり労働組合法第2条但書の「使用者の支配介入」に該当し、そもそも法適合組合と認められなくなる。
労働組合法第2条の要件
資格審査で最も落とされやすいのがこの第2条の要件である。
- 労働者が主体となって自主的に組織していること
- 主たる目的が労働条件の維持改善その他経済的地位の向上にあること
- 役員、雇入解雇昇進または異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の利益を代表する者が参加していないこと(第2条但書第1号)
- 団体の運営のための経費支出につき使用者の経理上の援助を受けていないこと(第2条但書第2号)
- 共済事業その他福利事業のみを目的とするものでないこと
- 主として政治運動または社会運動を目的とするものでないこと
あわせて労働組合法第5条第2項が、組合規約に必ず盛り込むべき事項(規約必要記載事項)を9項目定めている。名称、主たる事務所の所在地、組合員資格の平等、人種・宗教・性別・門地・身分による差別の禁止、役員の直接無記名投票による選挙、年1回の会計報告と会計監査人の証明、同盟罷業の開始には組合員の直接無記名投票の過半数による決定を要すること、規約改正手続などである。この9項目のどれか一つでも欠けると、それだけで資格審査は通らない。
手続の流れと費用
1. 結成準備会を組織し、規約案を作成する(第5条第2項の9項目を条文レベルで網羅させる) 2. 結成大会を開催し、規約の採択と役員の選挙を行う。議事録と投票結果を必ず残す 3. 会社へ結成通知・団体交渉申入れを行う(法律上の義務ではないが実務上ほぼ必須) 4. 資格審査を必要とする場面(不当労働行為の救済申立て、労働委員会の労働者委員推薦、法人登記など)が生じた時点で、都道府県労働委員会または中央労働委員会に資格審査を申請する
費用面では、資格審査の申請手数料は無料である。実費として発生するのは、規約や議事録の印刷費、結成大会の会場費、郵送費程度にとどまる。法人格を取得する場合は法務局への登記が必要となるが、労働組合の設立登記は登録免許税が課されない。ただし登記事項証明書の取得手数料や、行政書士・司法書士に規約作成や登記を依頼した場合の報酬は別途かかる。
よくある差し戻し・不適合の理由
- 規約に第5条第2項の9項目のうち一部が欠けている(特に会計監査人の証明、ストライキの直接無記名投票の規定が漏れやすい)
- 課長職・人事権を持つ職位の者が組合員名簿に入っている
- 会社から組合事務所の提供を超える経理援助(専従者給与の会社負担など)を受けている
- 役員選挙が挙手や指名で行われ、直接無記名投票の記録がない
- 議事録に定足数や賛否数の記載がなく、規約採択の事実を証明できない
変更・その後の手続
規約の変更、名称・所在地の変更、役員の変更があった場合、資格審査を経た組合は労働委員会に対して変更の届出が求められることがある。取扱いは都道府県労働委員会により異なるため、所管の労働委員会事務局に確認する。法人格を取得している組合は、名称・事務所・代表者の変更について法務局への変更登記が必要となり、これは怠ると過料の対象になり得る。
なお、労働組合が労働者派遣事業や職業紹介事業を行う場合には、それぞれ別途の許認可が必要になる。組合として共済事業を行う場合も、規模によっては保険業法上の位置づけを確認しておく必要がある。
費用は少額で済むため、個人事業主やフリーランスの方も負担なく申請できます。
申請手順
- 1労働組合の結成大会の開催
- 2規約の制定
- 3届出書類の作成
- 4労働委員会への届出
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- ●必要書類のチェックリストを作り、一つずつ確実に準備しましょう。
- ●窓口での手続きは比較的スムーズです。混雑を避けるため、開庁直後の来所がおすすめです。
- ●記入例を事前に確認しておくと、その場で迷わず記入できます。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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