特定旅客自動車運送事業許可
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 道路運送法第43条
特定の利用者を対象とした旅客運送事業(企業送迎バス等)の許可
特定旅客自動車運送事業許可は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。国交省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための許可か
特定旅客自動車運送事業許可は、「特定の単一の需要者」との契約に基づき、限定された範囲の旅客だけを有償で運送する事業に必要な許可です。典型例は、企業が自社従業員を送迎する通勤バス、工場やホテルが従業員・利用者を運ぶシャトル、福祉施設・病院が利用者を送迎するケースです。
不特定多数を運ぶ場合は対象外で、その場合は一般貸切(観光バス等)や一般乗合の許可になります。「契約相手が特定の一者に限られているか」が、特定か一般かを分ける最大の判断軸です。
取得の必須要件
- 運転者: 旅客を運送するため、運転者全員が第二種運転免許(車両区分に応じた中型・大型二種等)を保有していること
- 運行管理者・整備管理者: 事業用自動車の保有台数に応じて運行管理者を選任。整備管理者も別途必要
- 営業所・車庫・休憩施設: 営業所と車庫を確保し、車庫は原則として営業所から一定距離内に配置。車両がすべて収容できる広さが必要
- 車両: 契約者の需要に見合った乗車定員の事業用自動車(緑ナンバー登録)
- 資金計画: 車両費・人件費・保険料・運転資金などを賄える所要資金と、その裏付けとなる自己資金の確保
- 損害賠償能力: 任意保険等への加入見込み
- 法令遵守・欠格事由なし: 過去の許可取消や一定の刑罰歴に該当しないこと
申請の流れ
1. 運送する相手(特定需要者)との関係と事業計画を固める 2. 営業所・車庫・運転者・車両を確保する 3. 申請書と事業計画、施設・資金関係の添付書類を、管轄の運輸支局経由で地方運輸局に提出 4. 審査(標準処理期間はおおむね2〜3か月程度、運輸局により異なる) 5. 許可取得後、運輸開始前の確認を経て事業開始
費用の内訳
申請手数料・登録免許税はかかりません(一般貸切旅客自動車運送事業と異なり、特定は登録免許税が課されない点が特徴です)。一方で、車両購入・リース費、緑ナンバー登録、二種免許保有者の人件費、車庫の賃料、任意保険料などの実費は別途発生します。行政書士へ申請を委託する場合はその報酬も加わります。
よくある不許可・差し戻し理由
- 運送先が実質的に不特定多数で、「特定の単一需要者」の要件を満たさない(この場合は一般貸切が必要)
- 運転者が二種免許を保有していない、または確保のめどが立っていない
- 車庫が営業所から離れすぎている、収容台数が不足している
- 資金計画の裏付け(自己資金)が不足している
関連・付随する手続き
- 不特定の需要に応じるなら一般貸切旅客自動車運送事業許可
- 市町村やNPO等による送迎は自家用有償旅客運送の登録(許可ではない)が選択肢
- 取得後は、運賃の届出、営業所・車庫・車両数などの事業計画変更(認可または届出)、運行管理者・整備管理者の選任変更届が必要
契約相手が「特定の一者」に該当するかを最初に確認し、二種免許保有の運転者と車庫の確保ができているかを早期に詰めておくことが、許可取得の最短ルートです。
申請手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(住民票・登記簿謄本など)が別途かかる場合があります。
申請手順
- 1地方運輸局長に申請
- 2運送需要の確認
- 3運行管理者の選任
- 4許可証の交付
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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