一般貸切旅客自動車運送事業許可
管轄: 国土交通省 / 根拠法令: 道路運送法第4条
貸切バス事業を営むための許可
一般貸切旅客自動車運送事業許可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。なお、5年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
この許認可の位置づけと対象
一般貸切旅客自動車運送事業許可は、1台の車両を特定の団体やグループに貸し切って有償で運送する、いわゆる貸切バス(観光バス・送迎バス・ツアーバス)を営むための許可です。道路運送法第4条に基づき、国土交通大臣(実務上は各地方運輸局)が許可します。乗合バス(路線バス)とは制度が分かれており、運賃を個別の乗客から収受するのではなく、運送契約を団体単位で結ぶ業態が対象です。
2016年の軽井沢スキーバス事故を機に参入要件と監査が大幅に強化された、運送系許可の中でも難易度の高い区分である点が特徴です。
取得の必須要件
- 車両: 営業所ごとに最低5両を確保(リース可だが契約書類が必要)
- 人員: 常勤の運行管理者(運行管理者資格者証・貸切の経験要件あり)と整備管理者を配置。運転者は大型二種免許保有者を計画台数に応じて確保
- 施設: 営業所・休憩睡眠施設・車庫(車両との前面距離、収容能力、農地法や都市計画法に抵触しない立地)
- 資金: 所要資金(車両費・人件費6か月・保険料・施設費・運転資金等)を見積もり、申請時点と許可時点で自己資金が確保されていること
- 役員の法令試験: 申請事業者の常勤役員が道路運送法等の試験に合格すること(不合格なら再試験、2回不合格で申請却下)
申請の流れ
事業計画・収支見積・安全投資計画を作成し、管轄の地方運輸局(運輸支局経由)へ申請します。書類審査と法令試験を経て許可、その後に運行管理者選任届・車両登録(事業用ナンバー=緑ナンバー)・運輸開始前確認を行い、運輸開始届を提出して初めて営業できます。標準処理期間はおおむね2〜3か月ですが、書類補正があれば延びます。
費用の内訳
申請手数料そのものは無料ですが、実費負担は大きくなります。緑ナンバー登録費用、任意保険(対人対物無制限が事実上必須)、運行管理者・運転者の人件費と社会保険、車庫・施設の賃料、車両費が中心です。自己資金要件を満たす資金計画が審査の核になるため、開業資金の準備が最大のハードルです。
よくある不許可・差し戻し理由
- 自己資金が所要資金を下回る、または預金残高証明のタイミングが合わない
- 車庫が都市計画法・農地法・建築基準法に抵触、または前面道路の幅員要件を満たさない
- 運行管理者・整備管理者の常勤性や資格要件が不十分
- 役員法令試験の不合格
更新・変更時の注意
この許可は5年ごとの更新制で、更新には適切な事業運営の実績が問われます。営業所・車庫の新増設、車両数の増減、役員変更などは事業計画変更の認可・届出が必要です。監査で重大な法令違反があれば、車両の使用停止や許可取消の対象になります。取得後も安全管理体制の維持が前提となる許可です。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1地方運輸局長に申請
- 2安全管理計画の確認
- 3許可の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●国交省管轄の許認可は、地方整備局が窓口になるケースが多いです。管轄エリアを事前に確認しましょう。
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