揮発性有機化合物排出施設届出
管轄: 環境省 / 根拠法令: 大気汚染防止法第17条の5
揮発性有機化合物(VOC)排出施設の設置届出
揮発性有機化合物排出施設届出は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。環境省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための届出か
揮発性有機化合物(VOC)はトルエン・キシレン・酢酸エチルなど常温で揮発しやすい有機溶剤の総称で、大気中で光化学オキシダントや浮遊粒子状物質(PM)の原因となる。大気汚染防止法は、一定規模以上のVOC排出施設を設置する事業者に対し、施設の設置を事前に都道府県知事(政令市は市長)へ届け出させ、排出口の濃度を排出基準以下に保たせる仕組みを設けている。本届出はその「設置の届出」にあたる。
対象となる施設
届出が必要なのは、法・政令で「揮発性有機化合物排出施設」と定められた施設のうち、規模要件(排風量・容量など)を超えるものに限られる。代表的な6類型は以下のとおり。
- 化学製品製造の乾燥施設・吹付塗装施設
- 自動車・金属等の塗装施設、塗装後の乾燥・焼付け施設
- 工業用洗浄施設(脱脂洗浄など)と乾燥施設
- 接着剤を用いる乾燥施設
- 印刷回路用以外を含むグラビア・オフセット等の印刷施設、乾燥施設
- ガソリン・原油等を貯蔵する屋外タンク
施設ごとに「排風量◯◯m³/時以上」「容量◯◯kL以上」といった裾切り基準があり、これ未満の小規模設備は届出不要。自社の設備が該当するかは、施設の種類と能力を政令別表に照らして判定する。境界事例は所管の自治体環境部局に確認するのが確実。
申請の流れと費用
- 設置工事に着手する60日前までに、設置届出書を都道府県・政令市の環境担当課へ提出する(事後届出は認められない)。
- 添付するのは、施設の構造図、VOC処理装置(燃焼・吸着・凝縮等)の仕様、排出口の位置・口径、使用溶剤と推定排出濃度などを示す書類。
- 受理後60日間は原則として工事に着手できない(計画変更命令・改善命令のための審査期間)。短縮を希望する場合は別途申し出が必要。
- 手数料は無料。ただし排出濃度の測定や処理装置の設計を専門業者に委託する費用は別途発生する。
よくある差し戻し・不備
- 排出基準(施設区分ごとに濃度がppmCで規定)を満たす根拠が示されていない。
- 施設区分の判定誤り(規模要件の読み違いで届出漏れ、または不要な届出)。
- 60日前の期限を過ぎてからの提出。工程上、設計確定後すぐに動く必要がある。
- 排出口位置や処理方式が図面と仕様で食い違う。
変更・廃止時の注意
施設の構造や使用方法、処理方式を変更する場合は事前に変更届出が必要で、これも60日前ルールが適用される。氏名・住所の変更、事業の譲渡・相続による承継、施設の使用廃止は、いずれも事由発生後30日以内の届出となる(自治体により運用が異なる場合があるため要確認)。
なお、同一の工場・事業場ではばい煙発生施設(ボイラー等)や粉じん発生施設の届出が併せて必要になることが多い。VOC施設単体で考えず、敷地内の規制対象設備を一覧化して、大気汚染防止法上の届出を漏れなく整理しておくとよい。条例で独自の上乗せ基準を設ける自治体もあるため、設置予定地の環境条例も併せて確認する。
申請手数料は無料です。ただし、添付書類の取得費用(住民票・登記簿謄本など)が別途かかる場合があります。
申請手順
- 1都道府県知事に届出書を提出
- 2施設の基準確認
- 3届出受理通知を受領
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無料で相談する →取得のポイント
- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
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