水道事業認可
管轄: 厚生労働省/都道府県 / 根拠法令: 水道法第6条
一般の需要に応じて水道により水を供給する事業の認可。給水人口が5,001人以上の場合は厚生労働大臣、5,000人以下の場合は都道府県知事の認可が必要。
水道事業認可は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための認可か
水道事業認可は、一般の需要に応じて給水管を通じて飲用水を供給する事業を始める際に、水道法第6条に基づき取得が義務づけられる認可です。生命維持に直結するインフラであり、水質・水量・水圧を継続的に保証できる事業者だけが参入できるよう、料金を取って水を供給する行為そのものに認可をかけています。マンション・団地の専用水道や、自社敷地内で完結する自家用水道とは別物で、不特定多数への「供給事業」が対象です。対象となるのは市町村などの地方公共団体が中心ですが、第三者に給水する開発事業者や民間水道事業者も含まれます。
認可権者と区分
給水人口によって認可権者が分かれます。
- 給水人口5,001人以上:国(2024年4月の水道行政移管により、従来の厚生労働大臣から国土交通大臣の認可へ。水質基準は環境省所管)
- 給水人口5,000人以下:都道府県知事
さらに、給水人口100人以下または5,000人以下の小規模な「簡易水道事業」、他の水道事業者へ水を卸す「水道用水供給事業」など、事業形態ごとに別の規律があります。自らの計画がどの区分に当たるかを最初に確定させないと、申請先も提出書類も変わってしまいます。
取得の必須要件
認可は「事業を的確かつ確実に遂行できること」を中心に審査されます。具体的には次の柱があります。
- 給水区域・給水人口・給水量の計画が需要見通しと整合していること
- 水道施設(取水・浄水・配水)が施設基準(水道法施行規則)を満たす設計であること
- 水源の水量・水質が安定的に確保され、水利権など水源の裏付けがあること
- 水道技術管理者を置けること(資格・実務経験要件あり)
- 料金が能率的経営のもとで適正・明確であり、収支計画に無理がないこと
申請の流れと費用
事業基本計画と施設設計を固め、水源協議・関係機関調整を経て、申請書に事業計画書・工事設計書・水質試験成績・収支見通し・給水区域図などを添えて認可権者へ提出します。審査は技術面と経営面の両面に及び、補正のやり取りを含めると相応の期間を要します。
申請手数料そのものは制度上かからないのが原則ですが、無料なのはあくまで「申請」の部分です。実態としては、水源調査・水質試験、施設の設計・建設、技術コンサルへの委託費など、事業準備に多額の費用がかかる点を見込んでおく必要があります。
つまずきやすい点
- 需要予測が過大で給水人口・給水量の根拠が弱い
- 水源の水量・水質・水利権の裏付けが不十分
- 施設設計が施設基準に適合していない、または非常時のバックアップが欠如
- 料金・収支計画が赤字前提で持続可能性を欠く
- 水道技術管理者を確保できていない
変更・その後の手続き
給水区域の拡張、給水人口・給水量、浄水方法など認可事項を変更する場合は、原則として変更認可(軽微なものは届出)が必要です。事業開始後は、水質検査の定期実施、施設の維持管理、技術管理者による管理体制の継続が法的義務となります。隣接事業との統合・広域化や事業譲渡を行う際にも所定の認可・手続きが伴うため、計画段階から認可権者と早期に協議しておくことが現実的です。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1事業計画の策定
- 2厚生労働大臣または都道府県知事に認可申請
- 3水質・施設基準の審査
- 4認可の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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