キャンドル・ろうそく製造に必要な許認可
キャンドル・ろうそくの製造販売
キャンドル・ろうそく製造の開業に必要な手続きの全体像
キャンドル・ろうそく製造は、食品や化粧品と違って製品そのものに製造業の営業許可は不要です。雑貨(インテリア・日用品)扱いのため、保健所の許可や薬機法の承認は原則かかりません。一方で、ワックスを加熱し裸火や引火性の香料を扱う作業であるため、開業手続きの中心は税務の届出と消防法対応になります。許可制ではなく「届出・対応」型の開業だと理解しておくと、準備の優先順位を間違えません。
取得・届出の順序
まず事業形態を決めます。個人で小規模に始めるなら、開業から1か月以内に税務署へ個人事業の開業届を提出します。提出は無料で、青色申告承認申請書を同時に出すと最大65万円の控除が受けられます。これが事業のスタートラインです。
次に作業場(アトリエ・工房)が決まった段階で、その建物・地域を管轄する消防署に消防法上の扱いを必ず確認します。ここで関わるのが防火管理者です。防火管理者は建物の用途と収容人員によって選任・届出が義務づけられ、必要な場合は講習(甲種・乙種)を受けて資格を取り、防火管理者選任届と消防計画を消防署へ提出します。自宅の一室で1人で作る規模なら選任義務がないことも多いため、要否は必ず管轄消防署で確認してください。
あわせて確認すべきが危険物です。香料・アロマオイル・溶剤などの引火性液体は消防法の第4類危険物に当たることがあり、指定数量以上を保管・使用すると別途届出や設備基準が生じます。ワックスやオイルの保管量が増えるほど消防署への事前相談が重要になります。
費用の目安
- 個人事業の開業届: 無料
- 防火管理者講習: 数千〜1万円程度(甲種・乙種で異なる)
- 法人設立登記: 株式会社で登録免許税15万円〜、合同会社で6万円〜。司法書士に依頼すると別途報酬
卸売やOEM、ブランドとしての規模拡大、取引先からの法人格要求が出てきた段階で、個人事業から法人設立登記への切り替えを検討します。最初から法人にする必然性は低く、売上と取引形態を見て判断して問題ありません。
見落としやすい点とよくあるつまずき
- アロマキャンドルで「リラックス効果」「安眠」などの効能を表示すると薬機法・景品表示法に抵触する恐れがあるため、香りの表現は慎重にする
- 製造物責任(PL)保険への加入。火を扱う製品である以上、発火・やけど等の事故リスクに備える
- 賃貸物件やマンションの一室を工房にする場合、火気使用が契約・管理規約で禁じられていないか事前確認する
- 委託製造や百貨店催事への出店では、出店先が防火・保険の証明を求めることがある
スケジュール感
物件確保→消防署への用途・危険物の事前相談→開業届提出→必要なら防火管理者講習・選任届、という流れで、おおむね1〜2か月で開業準備が整います。許可の審査待ちがない分、消防対応とPL保険の手配を早めに動かせるかが立ち上がりの速さを左右します。