ATAカルネ発給
管轄: 日本商事仲裁協会 / 根拠法令: ATA条約
物品の一時輸入に使用するATAカルネの発給
ATAカルネ発給は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査期間は標準的で、日本商事仲裁協会での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。なお、1年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
ATAカルネとは何か
ATAカルネは、商品見本・職業用具・展示会出展品などの物品を、関税や輸入消費税を支払わずに海外へ一時的に持ち込む(または日本へ一時輸入する)ための国際的な通関手帳です。ATA条約・イスタンブール条約に基づき、加盟国間で共通利用できる仕組みになっており、日本では日本商事仲裁協会(JCAA)が唯一の発給・保証機関となっています。
「販売しない物品を一時的に持ち出すだけ」という前提で関税の支払いを免除するものなので、現地で売却したり期限内に再輸出しなかった場合は関税・税金の支払い義務が生じます。この点が通常の輸出入手続きと根本的に異なります。
対象となる物品・利用者
主な対象は次の3分野です。
- 商業見本(取引先に見せるサンプル製品など)
- 職業用具(撮影機材、楽器、測定器、工具、舞台装置など)
- 展示会・見本市・博覧会への出展品
利用者は、海外の展示会に出展するメーカー、ロケ撮影で機材を持ち出す映像制作会社、海外公演を行う演奏家・劇団、現地で機器デモを行う技術者などが典型です。なお消耗品・廃棄予定品・郵送物・販売目的の商品は対象外です。
申請の流れ
1. JCAAへの利用者登録・申請 2. 持ち出す全物品を記載した「物件表(General List)」の作成。品名・数量・重量・価格を正確に列挙する 3. 担保(保証金)の提供 4. 発給手数料の納付 5. カルネ手帳の発給を受け、出国時に日本税関で証印を受ける
カルネの有効期間は発給日から最長1年間で、この期間内に日本へ再輸入(現地から見れば再輸出)を完了させる必要があります。
費用の内訳
費用は大きく「発給手数料」と「担保」に分かれます。
- 発給手数料: 物品の合計価格や物件表の枚数によって変動します。15,000〜50,000円程度が一般的な目安ですが、正確な額はJCAAの料金体系により異なります
- 担保: 万一物品が再輸入されず関税が発生した場合に備えるもので、物品総額に対して一定割合を、現金供託または銀行・保険会社の保証で差し入れます。期限内に物品を持ち帰り手続きが完了すれば返還されます
よくある差し戻し・トラブル
- 物件表の品名・数量・価格の記載が実際の物品と一致せず、税関で証印を受けられない
- 物品にシリアル番号など個体識別情報を記載せず、同一物品であることを証明できない
- 有効期限内に再輸入せず、担保が没収され関税が課される
- 渡航先がATAカルネ非加盟国・対象外品目で、そもそも利用できない
関連・付随する手続き
- ワシントン条約(CITES)対象品、電波法対象の無線機器、銃刀法関連品などは、カルネとは別に個別の輸出入許可が必要です
- 物品を追加・変更する場合は新たな物件表の作成が必要で、発給後の安易な品目変更はできません
- 渡航先が複数国にわたる場合でも1冊のカルネで対応できますが、各国の税関で都度証印を受ける運用を守ることが前提です
まずはJCAAに利用予定の物品リストと渡航先・期間を伝え、対象品目に該当するか、担保額の見込みはいくらかを確認するところから始めると、手続きがスムーズです。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1日本商事仲裁協会に申請
- 2担保の提供
- 3カルネの発給
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
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