イベント企画会社に必要な許認可
イベントの企画・運営
イベント企画会社の開業に許認可は原則不要、ただし「開催内容」ごとに許可が発生する
イベントの企画・運営という事業そのものに、専門の業許可は存在しない。会社形態で始めるなら法人設立登記、フリーランスで始めるなら個人事業の開業届を出せば事業はスタートできる。注意すべきは、企画したイベントの「中身」に応じて、開催ごとに個別の許可・届出が次々と必要になる点だ。リストにある興行場営業許可、道路使用許可、花火大会開催許可などは、すべて「やる内容」に紐づく許可であり、会社設立とは別軸で考える。
まず固めるべき土台(事業の器)
- 法人設立登記:株式会社なら登録免許税15万円〜、定款認証・実費込みで合計20〜25万円程度。合同会社なら登録免許税6万円〜と安い。取引先・スポンサー対応では法人格があると有利。
- 個人事業の開業届:税務署へ提出、費用は無料。小規模・単発受注から始めるならこれで十分。
ここまでは「企画会社」として動く前提。許認可の本番はここからで、受注したイベントの形態を確定させた段階で必要書類を逆算する。
開催内容ごとに発生する許可・届出(依存関係)
会場と内容が決まらないと必要な許可は確定しない。順序は「内容確定 → 会場確定 → 消防・警察まわり → 個別の特殊許可」。
- 屋外・路上を使うイベント(マルシェ、ストリートライブ等):管轄警察署へ道路使用許可。手数料は2,000円前後だが都道府県で異なる。原則として開催の数日前まで(中数日)に申請が要るため、会場決定後すぐ動く。
- 一定規模の会場を使う場合:消防署への対応が連鎖する。防火管理者を選任し、その人は事前に防火管理者講習を修了しておく必要がある。新たに施設を使い始める際は防火対象物使用開始届出も提出する。これらは会場の収容人数・面積で要否が変わるため、会場の管理者・消防に必ず確認する。
- 常設・興行型の施設運営に踏み込む場合:興行場営業許可・劇場営業許可・映画館営業許可(興行場法、都道府県・保健所所管)。単発の貸し会場利用では通常不要だが、自前の興行施設を構えるなら必須。
- 花火を伴うイベント:花火大会開催許可。自動車レースを主催するなら自動車レース開催許可。いずれも警察・消防・自治体への事前協議が長く、数か月単位で動く。
- フリーマーケットを主催し中古品売買の場を提供する場合:古物市場主許可。
- 海外アーティストの機材・展示物を一時輸入する場合:ATAカルネの発給を商工会議所で受けると関税手続きが簡素化できる。
チケット転売業届出・電子チケット販売事業届出・イベント企画業届出・野外イベント開催許可といった名称は、自治体や条例・関連法(特定興行入場券不正転売禁止法など)によって扱いや呼称が異なる。該当しそうな場合は必ず所管庁に確認し、不正転売規制に抵触しない販売設計にすること。
スケジュール感とつまずきやすい点
法人設立は2〜3週間。問題は許可側で、道路使用は会場確定後すぐ、消防対応は会場契約と同時、花火・レース・興行場は3〜6か月前から動かないと間に合わない。最も多いつまずきは「会場を押さえてから許可が下りないと判明する」パターン。会場契約前に消防・警察へ事前相談し、許可の見込みを取ってから本契約する。委託で受けた場合も、許可申請の主体(主催者か運営受託者か)を契約書で明確にしておかないと、責任の所在が宙に浮く。