蓄電池製造業届出
管轄: 経済産業省 / 根拠法令: 電気用品安全法/電気事業法
リチウムイオン電池等の蓄電池を製造するための届出。電気用品安全法のPSEマーク取得が必要。
蓄電池製造業届出は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査期間は標準的で、経産省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための届出か
蓄電池製造業届出は、電気用品安全法(電安法)に基づき、リチウムイオン蓄電池などの「電気用品」を製造・輸入する事業者が、事業開始日から30日以内に管轄の経済産業局へ届け出るものです(電安法第3条)。許可制ではなく届出制ですが、届出を怠ると事業そのものが違法となり、罰則の対象になります。
対象になるのは、2018年2月の政令改正で電気用品に指定されたリチウムイオン蓄電池です。具体的には「単電池あたりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上」のものが該当します。一方で、自動車・原動機付自転車の車載用、医療機器用、産業用途の一部などは適用除外とされており、自社製品が規制対象かどうかの線引きが最初の関門になります。
PSEマークと自主検査
リチウムイオン蓄電池は「特定電気用品以外の電気用品」に分類されるため、丸型PSEマークの対象です。特定電気用品(菱形PSE)と違い、登録検査機関による適合性検査は義務ではなく、製造事業者が自ら技術基準への適合を確認する「自主検査」で足ります。
ただし自主検査といっても、
- 技術基準(省令)への適合性確認試験
- 検査記録の作成と3年間の保存
- 適合品へのPSEマーク・届出事業者名・定格表示
がセットで義務付けられます。試験設備を自社で持たない場合、外部試験機関に充放電・温度・短絡などの試験を委託することになり、これが費用の中心を占めます。
費用の内訳
届出書の提出自体に手数料はかかりません。目安として示される3〜10万円は、主に以下で構成されます。
- 外部試験機関への適合性試験委託費(製品仕様により変動)
- 表示ラベル・取扱説明書の整備費用
- 行政書士等に届出代行を依頼する場合の報酬
試験費用は製品の種類・サイズ・必要試験項目で大きく変わるため、複数の試験機関に見積もりを取ることをおすすめします。
よくある差し戻し・指摘
- 自社製品が規制対象か未確認のまま販売を開始してしまう
- 検査記録を残しておらず、立入検査で是正を求められる
- PSEマークは付けたが、届出事業者名や定格の表示が欠けている
- 輸入販売なのに「製造でない」と誤認し、届出を出していない
届出は製造だけでなく輸入事業者も対象です。海外製セルを輸入してパック化・販売する場合も該当しうる点に注意してください。
関連手続きと変更時の対応
電気用品の製造・輸入には、本届出に加えて技術基準適合義務が継続して課されます。事業者名・住所・型式の区分などに変更があった場合は、変更届の提出が必要です。また、PL(製造物責任)の観点から、リチウムイオン電池は発火リスクが高く、回収・事故報告体制の整備も実務上欠かせません。
まず着手すべきは、(1) 自社製品が体積エネルギー密度400Wh/L以上で規制対象に当たるかの確認、(2) 適用除外に該当しないかの精査、(3) 対象であれば試験機関の選定と見積もり取得、の3点です。対象範囲の判断に迷う場合は、管轄経済産業局の電気用品安全法担当窓口に事前相談するのが確実です。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1電気用品安全法の技術基準への適合を確認する
- 2PSEマークの認証を取得する
- 3経済産業省に製造事業届出を提出する
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●経産省管轄の許認可は、経済産業局の窓口で手続きするケースがあります。オンライン申請が利用可能か確認してみましょう。
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