看護師養成所指定(専門学校)
管轄: 厚生労働省 / 根拠法令: 保健師助産師看護師法第21条
専門学校における看護師養成課程の指定申請。厚生労働大臣および都道府県知事が指定権者。
看護師養成所指定(専門学校)は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。審査が長期にわたる傾向があるため、半年以上前から計画的に準備を進めることが重要です。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
まず読む順番
看護師養成所指定とは何か
看護師養成所指定は、専門学校(3年課程・2年課程など)で看護師国家試験の受験資格を与える教育課程を運営するための指定です。保健師助産師看護師法第21条は、看護師国家試験の受験資格を「文部科学大臣の指定した学校」または「都道府県知事の指定した看護師養成所」を卒業した者などに限定しています。つまり指定がなければ、どれだけ充実したカリキュラムを組んでも、卒業生は国家試験を受験できません。学校ではなく養成所として運営する専門学校・各種学校は、この知事指定を取得する必要があります。
指定基準は「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」と、厚生労働省・文部科学省が示す「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」に細かく定められています。教育内容だけでなく、教員配置・施設・実習先まで法令で数値基準が決まっている点が、一般的な事業許認可と大きく異なります。
取得の必須要件
- 教育課程: 3年課程は102単位・3,000時間以上、2年課程は70単位・2,100時間以上(准看護師からの進学課程)。基礎分野・専門基礎分野・専門分野・臨地実習の区分ごとに単位数が指定規則で定められています。
- 専任教員: 専任教員は8人以上(うち1人は専任教員以外の教務主任等の要件あり)が基本。専任教員となるには、看護師として原則5年以上の業務経験に加え、看護教員養成講習会(所定の時間数)の修了、または大学等で教育に関する科目を履修していることが求められます。この教員確保が最大のボトルネックです。
- 実習施設: 臨地実習を行う病院・施設と実習委託契約を締結し、実習指導者を配置していること。地域の基幹病院の受け入れ枠は既存校で埋まっていることが多く、確保の可否が申請成否を左右します。
- 施設・設備: 普通教室、看護実習室(基礎看護・成人看護等)、図書室、教員研究室などを備え、定員に応じた面積を確保すること。基準の詳細は指定規則および都道府県の運用で定められます。
申請の流れ
1. 開設2年前程度から都道府県の看護行政担当課へ事前相談。この事前協議が実質的な審査の中心です。 2. 校舎・実習施設・教員採用の計画を固め、教育課程(単位配当表・シラバス)を作成。 3. 指定申請書と添付書類(設置者の概要、財源計画、教員の履歴書・資格証明、実習契約書、校舎図面など)を都道府県へ提出。 4. 書類審査、実地調査(施設の完成後)、医道審議会保健師助産師看護師分科会等の意見聴取を経て指定。 5. 専修学校・各種学校として設置認可を受ける場合は、都道府県の私学担当課への認可申請を並行して進めます。
申請から指定まで、事前相談を含めて2〜3年を見込むのが現実的です。
費用の内訳
指定申請そのものの手数料は都道府県により異なり、無料または数万円〜20万円程度の範囲です。実質的な費用は申請手数料ではなく、校舎・実習室の整備費、看護模型やベッド等の実習機材費、専任教員8人以上の人件費(開校前から確保が必要)です。学生納付金が入る前に数年分の固定費が発生する構造であることを、資金計画の前提にしてください。
よくある差し戻し・不指定の理由
- 専任教員の人数不足、または専任教員要件(実務経験・教員養成講習会修了)を満たさない人員を計上している
- 臨地実習施設の受け入れ承諾が口頭のみで、契約書・実習計画の裏付けがない
- 単位配当表が指定規則の分野別必要単位を満たしていない、実習時間の配分が基準に合わない
- 定員に対して実習室・教室の面積や機材が不足している
- 開校後の収支計画に妥当性がなく、継続運営の担保が示せない
関連手続きと変更・報告義務
看護師養成所として運営する場合、専修学校・各種学校の設置認可(都道府県私学担当課)が別途必要になるのが一般的です。校舎所在地の変更、定員変更、教育課程の変更、設置者や教務主任・専任教員の変更は、事前の変更承認または届出の対象となります。また、養成所は毎年度、学則・教員名簿・学生数などの報告が求められます。
指定に有効期限(更新)はありませんが、実地指導で基準未達が判明した場合は改善指導や指定取消の対象になり得ます。特に教員の退職により専任教員数が基準を下回る状態は、そのまま放置できない重大な不備です。開校後も教員の採用・育成計画を継続することが、指定維持の前提になります。
具体的な提出書類様式、手数料、事前相談の時期は都道府県ごとに異なります。設置予定地の都道府県の看護行政担当課へ、構想段階で最初に相談してください。
高額な申請費用と複雑な手続きが伴います。書類不備による再申請を避けるため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
申請手順
- 1都道府県への事前相談
- 2カリキュラム策定
- 3教員・実習施設の確保
- 4指定申請書類の提出
- 5審査・指定決定
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●厚労省管轄のため、保健所での事前相談が効果的です。管轄の保健所は市区町村のウェブサイトで確認できます。
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