専門学校に必要な許認可
専門学校の運営
専門学校開業に必要な許認可の全体像
専門学校とは学校教育法上の「専修学校専門課程」を指し、開校には設置者の所在地を管轄する都道府県知事の認可(専門学校(専修学校専門課程)認可)が必要です。同じ専修学校でも、中学卒業者を対象とする課程は専修学校高等課程認可、入学資格を問わない課程は専修学校一般課程認可と区分が分かれるため、自校がどの課程に当たるかをまず確定させます。認可なしに「専門学校」「専修学校」を名乗ることはできません。
設置者は学校法人または準学校法人が原則で、新規に法人を立てる場合は学校法人設立認可(および法人設立登記)が前提になります。校地・校舎の自己所有要件や財産目録の提出が求められるため、法人設立と校舎確保は認可審査の根幹を成します。
医療・福祉系を開く場合の二重指定
看護・リハビリ・福祉系の養成課程を置く専門学校では、専修学校認可とは別に、所管省庁の養成施設指定を取らなければ卒業しても受験資格が得られません。たとえば看護師養成所指定(専門学校)、准看護師養成所指定、助産師養成所指定、保健師養成所指定、理学療法士養成所指定、作業療法士・理学療法士養成所指定、言語聴覚士養成所指定、介護福祉士養成施設指定、社会福祉士養成施設指定、精神保健福祉士養成施設指定、臨床検査技師養成所指定などが該当します。これらは厚生労働省・文部科学省への指定申請で、教員資格・実習施設・カリキュラム時間数が厳格に定められています。専修学校認可と指定申請は別ルートで進むため、両方のスケジュールを並走管理する必要があります。
給付制度・職業訓練の上乗せ指定
集客力を高めるなら、教育訓練給付制度指定講座指定を受けると受講者の自己負担が軽減されます。また認定職業訓練施設認定、技能検定実施機関指定、特定行為研修指定研修機関指定、介護福祉士実務者研修事業者指定、介護職員初任者研修事業者指定など、講座単位の指定を追加できます。これらは開校後でも申請可能なので、まずは本体認可を優先します。
取得すべき順序
1. 課程区分の確定と設置構想の策定 2. 校地・校舎の確保(自己所有が原則) 3. 学校法人設立認可・法人設立登記 4. 専門学校(専修学校専門課程)認可の申請 5. 医療・福祉系なら養成施設指定を並行申請 6. 校舎の防火管理者選任、消防計画作成届出 7. 開業届(個人・会社設置の場合は個人事業の開業届等)
法人設立と校舎確保が認可の前提条件になる依存関係を意識してください。
費用とスケジュールの目安
認可申請手数料自体は高額ではありませんが、校地・校舎、専任教員の人件費、設備整備に大きな初期投資がかかります。具体額は課程・規模・自治体により大きく異なるため、所管課への事前協議で確認するのが確実です。多くの都道府県では認可申請に開校希望年度の1年以上前からの事前相談・書類提出を求めるため、準備期間は最低でも1〜2年を見込みます。
見落としやすい届出とつまずき
消防分野は盲点になりがちです。一定規模の校舎には防火管理者の選任と消防計画作成届出が義務付けられ、認可とは別に消防署への手続きが必要です。また、医療系で専修学校認可だけ取って養成施設指定を後回しにすると、入学者を募集できても国家試験受験資格を付与できないという致命的な齟齬が起きます。校舎面積・教員数・実習先確保が認可基準を満たさず申請が差し戻されるケースも多いため、設置構想の段階で所管課・所管省庁の双方と事前協議を重ねることが、開校時期の遅延を防ぐ最大のポイントです。