農業法人経営基準届出
管轄: 農林水産省 / 根拠法令: 農地法施行規則
農地所有適格法人が経営基準を満たしていることを届け出る手続き。毎年の報告義務。
農業法人経営基準届出は、比較的スムーズに取得できる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。審査期間は標準的で、農水省での処理に通常1か月前後を見込んでおきましょう。なお、1年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
まず読む順番
何のための届出か
農業法人経営基準届出(農地法第6条に基づく報告)は、農地を所有または借り入れて農業を営む「農地所有適格法人」が、その経営が法律の定める適格要件を満たし続けているかを、毎事業年度ごとに農業委員会へ報告する手続きです。農地所有適格法人だけが農地を「所有」できるため、所有後も要件を維持していることを行政が継続的に確認する目的があります。新規の許可申請ではなく、すでに適格法人となった法人に課される毎年の義務である点が特徴です。
対象となる法人
報告義務を負うのは、農地法第2条第3項の農地所有適格法人です。要件は大きく4つあります。
- 法人形態:株式会社(株式譲渡制限のある非公開会社に限る)、農事組合法人、合名・合資・合同会社のいずれか
- 事業要件:主たる事業が農業(農産物の加工・販売など関連事業を含む)で、直近3年の売上高の過半を占めること
- 構成員(議決権)要件:農業関係者が総議決権の過半を保有すること
- 役員要件:役員の過半が農業に常時従事し、かつそのうち過半が年間60日以上の農作業に従事すること
これら4要件を満たさなくなると適格性を失うため、報告はその維持状況を毎年示すものになります。
報告の流れと費用
提出先は、農地の所在地を管轄する市町村の農業委員会です。一般に各事業年度の終了後3か月以内に、定款・組合員名簿、構成員の議決権割合、役員の従事日数、事業収支などを記載した報告書を提出します。様式は農業委員会が用意しており、申請手数料は無料です。費用がかかるとすれば、決算書類の準備や行政書士へ委託する場合の実費・報酬程度です。
よくある差し戻し・指摘理由
- 役員の農作業従事日数の記録がなく、過半要件の充足を証明できない
- 構成員に農業関係者でない出資者が増え、議決権の過半を割り込んでいる
- 加工・小売部門が拡大し、農業以外の売上が過半を超えて事業要件を外れた
- 報告そのものを失念し、農業委員会から催告を受ける
要件を欠いた場合、農業委員会から必要な措置を講ずるよう勧告され、改善されないと最終的に国による農地の買収協議に至る可能性があります。早期に持株や役員構成を是正することが重要です。
関連手続きと注意点
農地の取得・借入れ時には別途、農地法第3条の許可が必要です。役員変更や増資、事業構成の変更で適格要件に影響が出る場合は、報告を待たず事前に農業委員会へ相談してください。要件の判定は農業委員会・都道府県により運用が異なることがあるため、計画段階で管轄窓口に確認しておくと差し戻しを防げます。
申請手数料は無料です。書類の準備さえ整えば、費用をかけずに取得できます。
申請手順
- 1経営状況報告書の作成
- 2農地利用状況の確認
- 3農業委員会への届出
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- ●必要書類のチェックリストを作り、一つずつ確実に準備しましょう。
- ●窓口での手続きは比較的スムーズです。混雑を避けるため、開庁直後の来所がおすすめです。
- ●記入例を事前に確認しておくと、その場で迷わず記入できます。
- ●農水省管轄のため、地方農政局や都道府県の農政部門が窓口になります。地域ごとに運用が異なる場合があるので注意しましょう。
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