SaaSセキュリティ評価認定
管轄: 経済産業省 / 根拠法令: 情報セキュリティサービス基準
SaaSサービスのセキュリティレベルを第三者が評価・認定する制度。政府調達のISMAP-LIUが対象。
SaaSセキュリティ評価認定は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用が高額になるケースがあるため、事前の資金計画が重要です。経産省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。なお、1年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
この認定は何のためのものか
SaaSセキュリティ評価認定は、SaaS事業者が自社サービスのセキュリティ対策を第三者の監査を通じて客観的に証明し、特に政府機関・地方公共団体への調達ルートに乗せるための仕組みです。中核となるのが ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)で、その中でも利用リスクが比較的小さいSaaSを対象とした簡易枠が ISMAP-LIU(LIU=Low-Impact Use)です。
法律というより、政府の運営委員会が定める「ISMAP管理基準」に基づく登録制度である点が特徴です。許認可のように取得が法的義務になるわけではなく、政府調達に参加するための事実上の前提条件として機能します。
対象となる事業者
- 官公庁・自治体への販売を狙う SaaS / クラウドサービス提供者
- 取扱情報の機密性が比較的低く、ISMAP-LIU の対象範囲(利用リスクの小さいサービス)に該当する事業者
- 自前のデータセンターではなく IaaS / PaaS 上にサービスを構築している事業者(基盤側の登録状況も評価に関係します)
機密性の高い情報を扱う基幹システムは LIU ではなく通常の ISMAP 本登録が必要になるため、自社サービスがどちらの枠に当たるかの見極めが最初の分岐点です。
取得の流れ
- ISMAP管理基準(LIU向けの管理策)に沿って社内の情報セキュリティ管理体制・技術対策を整備する
- ISMAP登録監査機関(登録を受けた監査法人・セキュリティ監査会社)と契約し、外部監査を受ける
- 監査結果を添えて ISMAP運営支援機関へ登録申請する
- 審査を通過すると「ISMAPクラウドサービスリスト」に掲載され、政府機関が調達候補として扱えるようになる
費用の内訳
- 監査機関への監査報酬(費用の大半を占める)
- 管理基準適合のための社内体制整備・文書整備のコスト(コンサル費用を含む場合あり)
- 申請・登録に伴う事務費
目安は20万〜100万円程度とされますが、サービス規模・対象範囲・監査範囲によって大きく変動します。LIU は本登録より監査負荷が軽い分、費用も抑えられる傾向にありますが、正確な額は監査機関の見積もりによります。
よくあるつまずき
- 管理基準で求められる文書(ポリシー・運用記録・台帳類)が運用実態と乖離しており、監査で指摘される
- アクセス管理・ログ管理・脆弱性対応など「運用が回っている証跡」が不足している
- LIU対象外の情報を扱っているのに LIU 枠で申請しようとして範囲設定で差し戻される
制度開始時点の整備だけでなく、日々の運用記録が残っていることが通過の鍵です。
関連する制度・更新時の注意
ISMAP登録は一度取れば終わりではなく、継続的な監査(年次)と再登録のサイクルがあります。サービス内容や利用する基盤クラウドを変更した場合は、評価範囲の見直しが必要です。あわせて、IPA の情報セキュリティサービス審査登録制度(情報セキュリティ監査・脆弱性診断サービス等の登録)や ISO/IEC 27001(ISMS)・27017 を取得しておくと、管理基準適合の土台として有利に働きます。
まず着手すべきは、自社サービスが ISMAP-LIU の対象範囲に当たるかの確認と、登録監査機関への事前相談です。制度の運用詳細は ISMAP ポータルおよび運営委員会の公表資料で最新情報を確認してください。
申請費用が高額なため、事業計画に組み込んだ上で余裕を持った資金準備をおすすめします。
申請手順
- 1ISMAP管理基準に基づく自己評価
- 2ISMAP監査機関による監査
- 3ISMAP-LIU登録申請
- 4ISMAPリストへの登録
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
- ●経産省管轄の許認可は、経済産業局の窓口で手続きするケースがあります。オンライン申請が利用可能か確認してみましょう。
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