成年後見人候補者登録(法人後見)
管轄: 法務省 / 根拠法令: 民法第843条
社会福祉法人・NPO法人等が成年後見人の候補者として家庭裁判所に登録する手続き。
成年後見人候補者登録(法人後見)は、一定の準備が必要ですが、手順を押さえれば着実に取得できる許認可です。申請費用は一般的な水準で、事前に予算を確保しておくと安心です。法務省の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。一度取得すれば更新の必要はなく、有効期限の心配はありません。
何のための制度か
成年後見人候補者登録(法人後見)は、社会福祉法人・NPO法人・社会福祉協議会・一般社団法人などが「法人」として成年後見人・保佐人・補助人の担い手になるため、家庭裁判所や市町村の中核機関(成年後見支援センター等)の候補者名簿に登載してもらう取り組みです。民法第843条は家庭裁判所が後見人を選任すると定めており、自然人だけでなく法人も後見人になれます。担当者個人の異動・死亡・高齢化に左右されず、組織として継続的に身上監護と財産管理を担える点が法人後見の意義です。
対象となるのは、認知症高齢者・知的障害者・精神障害者の支援実績がある法人で、特に身寄りがなく親族後見が望めないケースや、虐待・親族間対立があるケースの受け皿として期待されています。
登録の主な要件
「候補者登録」は全国一律の許認可ではなく、各家庭裁判所・市町村の中核機関ごとに運用が異なります。一般に求められる要件は次のとおりです。
- 法人格を有していること(社会福祉法人・NPO法人・社協・一般社団法人等)
- 定款の事業目的に後見業務(権利擁護・成年後見事業)が含まれていること
- 後見業務を担当する職員体制と、組織内チェック体制(複数職員・理事による監督)
- 都道府県・市町村・社協・専門職団体が実施する法人後見研修の修了
- 財産管理に対応する賠償責任保険・身元保証等の備え
申請の流れと費用
1. 市町村の中核機関や家庭裁判所に法人後見の受任意向を相談する 2. 法人後見研修を受講し、実施要綱に沿って登録申請書・定款・事業計画等を提出 3. 中核機関や家裁による面談・審査を経て候補者名簿に登載 4. 個別案件ごとに家庭裁判所へ後見開始の申立てがなされ、裁判所が法人を後見人に選任
費用の目安は0〜20,000円です。候補者登録自体は無料〜数千円程度の自治体が多い一方、研修受講料・保険料が別途かかります。実際の選任段階では、申立てに収入印紙800円・登記手数料2,600円・郵便切手・必要に応じ鑑定費用が生じますが、これは申立人負担で登録法人の費用ではありません。具体額は自治体・家裁により異なるため、管轄に確認してください。
つまずきやすい点
- 定款に後見事業の記載がなく、定款変更(社会福祉法人は所轄庁認可)が必要になる
- 担当者1名のみで組織的監督体制が示せず、審査で見送られる
- 研修未修了のまま申請してしまう
- 受任後の年1回の家庭裁判所への報告・後見監督人対応の負担を過小評価する
法人として受任すると、財産管理の記録・報告義務、利益相反の回避、職員の守秘義務管理が継続的に求められます。登録前に運営規程と内部統制を整え、まず管轄の中核機関へ相談することが実務上の第一歩です。
許認可の申請費用としては平均的な金額です。法定の手数料のため、減額や免除は原則ありません。
申請手順
- 1家庭裁判所への事前相談
- 2法人の体制整備
- 3候補者名簿への登録申請
- 4家庭裁判所による審査
- 5登録
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- ●申請前に窓口で事前相談を行い、要件を確認しておくと手戻りを減らせます。
- ●書類の不備は審査遅延の最大の原因です。提出前に記載漏れがないかダブルチェックしましょう。
- ●過去の申請事例や記入例がウェブ上で公開されている場合があります。参考にしてみてください。
- ●余裕を持ったスケジュールで準備を進め、期限ギリギリの申請は避けましょう。
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