介護事業所指定
管轄: 都道府県 / 市区町村 / 根拠法令: 介護保険法第70条
介護保険サービスを提供するための指定。訪問介護、通所介護、居宅介護支援等、サービス種別ごとに指定が必要です。
介護事業所指定は、取得までに十分な準備と専門知識が求められる許認可です。申請費用は無料のため、費用面のハードルは低いといえます。自治体の審査には時間がかかるため、事業開始の2〜3か月前には申請準備を始めることをおすすめします。なお、6年ごとの更新が必要なため、取得後も継続的な管理が求められます。
介護事業所指定とは
介護保険法第70条に基づき、介護保険サービスを提供して介護報酬(公費+利用者負担)を受け取るために必要な指定です。指定がなければ、訪問介護や通所介護を「介護保険サービス」として提供できず、全額自費サービスとしてしか運営できません。
重要なのは、指定がサービス種別ごとに必要な点です。訪問介護・通所介護・短期入所などの居宅サービスや施設サービスは都道府県(政令市・中核市は市が所管)、地域密着型サービス(小規模多機能、定期巡回、認知症対応型通所介護など)と居宅介護支援は市区町村が所管します。複数サービスを展開するなら、それぞれ別個に申請します。
取得の必須要件
- 法人格があること。個人事業主では指定を受けられず、株式会社・合同会社・NPO法人・社会福祉法人等が必要。定款の事業目的に「介護保険法に基づく◯◯事業」の記載が必須です。
- 人員基準。サービス種別ごとに必要職種・配置数が定められています。訪問介護なら常勤専従の管理者、サービス提供責任者(介護福祉士・実務者研修修了者等)、訪問介護員(介護福祉士または初任者研修修了者以上)が必要。通所介護なら管理者・生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員を利用者数に応じて配置します。
- 設備基準。通所系では食堂兼機能訓練室の床面積(利用定員×3㎡以上)、相談室、静養室、消火設備等。建物が建築基準法・消防法・バリアフリー基準に適合している必要があります。
- 運営基準。運営規程、重要事項説明書、各種マニュアルの整備。
申請の流れと費用
事業開始予定日から逆算し、多くの自治体で「開始予定月の前々月末」が申請締切です。事前相談 → 必要書類作成 → 申請(受付月は自治体指定)→ 審査・現地確認 → 指定(毎月1日付)という流れになります。
申請手数料は無料の自治体が大半ですが、政令市・中核市の一部で手数料を課す場合があるため所管庁に確認してください。実際のコストは、法人設立・定款変更費用、物件の改修費、有資格者の人件費が中心です。
よくある差し戻し・不許可理由
- 定款の事業目的に介護事業の記載がない(指定前に変更登記が必要)
- 人員基準を満たす有資格者が確保できていない、常勤要件を誤解している
- 設備の床面積不足、消防法令適合通知書が未取得
- 申請締切(前々月末等)の徒過
更新・変更時の注意
指定の有効期間は6年で、更新申請を怠ると失効します。管理者変更、事業所移転、定員変更、加算の取得・廃止などは変更届の提出が必要で、提出遅延は介護報酬返還につながることもあります。指定後も実地指導・監査の対象となるため、運営基準の継続的な遵守が求められます。まずは展開したいサービス種別と所管庁(都道府県か市区町村か)を確定し、所管庁の事前相談窓口に申請スケジュールを確認することから始めてください。
申請手数料自体は無料ですが、書類準備が複雑なため、行政書士への依頼費用を考慮に入れておくと安心です。
申請手順
- 1人員基準(介護福祉士等)の確認
- 2設備・運営基準を満たす事業所の確保
- 3都道府県/市区町村に指定申請
- 4書類審査・現地確認
- 5指定通知書の交付
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- ●行政書士などの専門家への依頼を積極的に検討しましょう。初回は特に専門家のサポートが有効です。
- ●事前相談は必須です。申請窓口で個別の要件や注意点を確認してから書類作成に入りましょう。
- ●書類の種類が多いため、準備に1〜2か月は見込んでおくと安心です。
- ●補正指示(書類の修正依頼)が入ることを想定し、担当者との連絡手段を確保しておきましょう。
- ●類似の許認可を取得した事業者に体験談を聞くと、具体的な注意点がわかります。
- ●自治体ごとに手続きや要件が異なります。必ずお住まいの自治体のウェブサイトで最新情報を確認してください。
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